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2002 年度 実績報告書

生態系及び蛋白質モデルにおける進化的に獲得された相空間構造の特徴づけとその意味

研究課題

研究課題/領域番号 13831006
研究機関大阪大学

研究代表者

菊池 誠  大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (50195210)

研究分担者 茶碗谷 毅  大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80294148)
時田 恵一郎  大阪大学, サイバーメディアセンター, 助教授 (00263195)
キーワードタンパク質 / 大変形 / 自由エネルギー構造 / 格子モデル / 生態系 / 進化 / 安定性 / 共生
研究概要

モータータンパク質の構造変化を記述する自由エネルギー構造
昨年度に引き続き、モータータンパクのひとつであるキネシンを格子上で表現し、その自由エネルギー構造を求める試みを行なった。モデルは郷モデルと呼ばれる人工的な相互作用をもつモデルである。本年度はこのモデルの全エネルギー領域での状態サンプリングに成功し、あらゆる温度での自由エネルギー構造を描くことがようやく可能になった。郷モデルといえども、現時点でキネシンほどの長さのタンパク質について全エネルギー領域での状態サンプリングに成功した例は他にない。これを用いて、キネシンの構造ゆらぎの特徴について検討をすすめ、スイッチ1領域とよばれる部分がまず大きく変形することがわかった。なお、この成果はいくつかの会議で口頭発表しており、今後論文として発表する予定である。また、キネシンより小さいRASなどいくつかのタンパクについても計算に成功しており、それらの構造ゆらぎの性質についても検討している。
大規模生態系モデルの安定性
今年度は東京大学・安冨歩助教授との共同研究である『絶滅と分化を起こす生態系モデルに創発する複雑で安定なネットワーク』をTheoretical Population BioIogyに発表した。本論文において、絶滅、侵入および突然変異を取り入れ拡張したレプリケーター方程式を種多様性の動態を表す最も簡単なモデルとして提案した。新しいモデルは、従来調べられてきたレプリケーター方程式系やそれと等価なロトカ-ボルテラ方程式系と全く異なる振舞いを示す。従来の進化モデル研究においては、複雑で巨大な生態学的ネットワークを構成することができなかったが、本研究において初めて任意の規模の安定な系を構成することに成功した。また、以下の知見を得た。(1)単一の種に対する種間相互作用に特異的に起こる突然変異を仮定すると複雑な生態系が進化しうる。(2)進化した巨大な生態系は侵入に対する安定性をもつ。(3)突然変異体の典型的な固定プロセスは、占有種よりもさらに高い適応度をもつ共生的な変異体グループの急激な個体数成長で起こる。(4)進化は形質空間中でのランダムな拡散ではなく、階層的な系統関係が現れる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Tokita, A.Yasutomi: "Emeregence of a complex and stable network in a model ecosystem with extinction and mutation"Theoretical Population Biology. 63. 131-146 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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