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2001 年度 実績報告書

セル・オートマトンを用いた音声・音楽信号の完全可逆圧縮記述とその複雑さの分析

研究課題

研究課題/領域番号 13831008
研究機関岡山大学

研究代表者

奈良 重俊  岡山大学, 工学部, 教授 (60231495)

研究分担者 相澤 洋二  早稲田大学, 理工学部, 教授 (70088855)
永井 喜則  国士舘大学, 政経学部, 教授 (10167554)
黒岩 丈介  広島大学, 総合科学部, 助手 (10282104)
キーワードセル・オートマトン / ルールダイナミックス / ビットパターン / 情報圧縮 / 音声・音楽・動画像 / 複雑さ / 圧縮率 / 信号対雑音比
研究概要

設定した研究課題のもとにシミュレーションを行い、得られた結果を学会、研究会などで発表した。また研究結果を論文にまとめて投稿し、既に掲載決定となり、印刷中である。
更に新しい現象を発見して鋭意シミュレーションを実行中である。概略を述べると、ある発声語を完全可逆圧縮記述する2状態3近傍のセル・オートマトンにおける二個のルールから成るルール列は当該ディジタル化フォーマットで対象となる16セルの作る状態全て(2^<16>個)を初期条件としても必ず該当語のパターン列に収束する性質を示すことがわかった。現在その詳しい内容とそれに関する議論を纏めて専門論文誌に投稿すべく準備中である。
今後の展開として、2個のみから成るルール列であることに注目して、これをカオス的な現象を発生しうる一次元の写像力学系で再現することにより、それら信号の複雑さを分析しようとする試みを行った。それによると、当該ルール列はカオス的なダイナミックスを生み出す1次元写像力学系によりある程度記述が可能であるように思われるが、時系列が長くなるとその力学系に内在する不安定性により当該ルール列とは異なるものとなる。しかしながら、カオス力学系が任意の非周期的な記号列を生み出せることはわかっており、その力学系に含まれるパラメータの値の変化のさせ方で長い記述ができるようになると思われ、そこに原発声語の複雑さの評価につながるのではないかとのアイデアを得て現在更にシミュレーションを実行中である。
また脳機能に関連して神経回路網のダイナミックスのシミュレーションを行い、それをセル・オートマトンのルールによって記述する可能性を検討した。それによると、2次元画像の連鎖を同様な手段によって記述を試みたところ、3近傍では完全性の実現は困難であり、多近傍に拡張して可能となることが示された。それに関しては学会での発表を行い、また国際会議においても発表の予定である。誤差をある許容範囲内で押さえながら記述を行う方法に関しては、標準の動画像に関して2状態5近傍あるいは9近傍に拡張して記述を試み、圧縮記述が可能であることを示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] J.Kuroiwa, S.Nara, K.Aihara: "Response Properties of a single chaotic neuron to stochastic inputs"International Journal of Bifurcation and Chaos. 11. 1447-1460 (2001)

  • [文献書誌] M.Wada, J.Kuroiwa, S.Nara: "Completely reproducible description of digital sound data with cellular automata"Physics Letters A. 掲載決定. (2002)

  • [文献書誌] 有馬隆之, 奈良重俊: "セルオートマトンを用いた動画像の記述"信学技法-NLP2001. 2001-20. 59-65 (2001)

  • [文献書誌] 和田昌人, 黒岩丈介, 奈良重俊: "セルオートマトンの2ルールから作られるルールダイナミックスを用いたディジタル音データの完全可逆記述"信学技法-NLP2001. 2001-6. 45-52 (2001)

  • [文献書誌] T.Miki, J.Kuroiwa, J.Miyao, K.Yamagata: "Response Properties of Logistic Map by Changing System Parameter"Proceedings of Nonlinear Theory and its Applications (NOLTA2001). 1. 115-118 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2012-10-05  

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