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2002 年度 実績報告書

化学反応波が励起するラセン状対流波の階層的自己組織化構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13831009
研究機関山口大学

研究代表者

三池 秀敏  山口大学, 工学部, 教授 (10107732)

研究分担者 山口 智彦  産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (70358232)
横山 悦郎  学習院大学, 計算機センター, 助教授 (40212302)
羽野 三夫  山口大学, 工学部, 教授 (70108265)
野村 厚志  山口大学, 教育学部, 助教授 (40264973)
雨宮 隆  横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (60344149)
キーワードBZ反応 / ラセン状化学反応波 / ラセン状対流波 / マランゴーニ対流 / 界面変形 / 非平衡 / 非線形 / 反応拡散系
研究概要

Belousov Zhabotinsky(BZ)反応は、溶液の調合によって振動系と興奮系を区別できる。本研究では、BZ反応溶液を興奮系に調合し、外部トリガにより化学反応波を励起し、その中で自己組織的に形成される対流波の発生メカニズム解明を目指した。バッチリアクター内に励起したラセン状化学反応波は、反応容器中で30-40分ラセン状化学反応波を伝播し続ける。この過程で、ラセンパターンが反応容器全体に広がりた後に振動的対流現象が観測される。これに伴い、化学反応波の波長(約1mm)に比べてかなり波長の長い対流の動的な秩序構造が発生する。これは対流波(flow wave)と呼まれ、波長は数cmに及ぶ。従来の知見では、対流波は反応容器の周辺で発生し、ラセン状化学反応波の中心に向って伝播する事が知られていた。
本研究で実験的に明らかとなったことは、
1)ラセン状化学反応波の中心で発生し、容器周辺に向って伝播する対流波が存在する(昨年度まで)、2)ラセン波の中心から外向きに伝播する対流波の中には、ラセン状パターンを示すものが出現する、3)ラセン状対流波は、同期して回転する界面変形を伴う、4)界面変形と同期して、界面の対流方向が時間と伴に回転する、5)対流方向の回転周期、界面変形の回転周期、ラセン状対流波の回転周期と化学反応波の回転周囲まほぼ一致し、1:1に引き込まれている。
などである。また、反応拡散と対流現象を結合したモデルによる数値計算では、1)反応に伴う生成物質としてのブロムマロン酸(BM)と、触媒のフェリイン<Fe^<3+>)が界面張力に影響を与える、2)反応の進行に伴うブロムマロン酸とフェリインの空間分布の不均一が表面張力の不均一を生み、マランゴーニ対流発生の要因となる、などを考慮して化学反応波のウェーブトレイン(波長約1mm)が長波長の対流ロール(波長数cm)を発生する可能性を証明した。数値解析では振動流の発生まではシミュレート出来なかったが、長波長の対流ロールの伝播と対流方向の変化までは再現出来ている。今後、界面変形を積極的に取り入れた、対流波への重力の影響有無などを検討する必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Mizukami, M.Yoshimura, H.Miike, I.Yosbimura: "An off-line signature verification system using an extracted displacement function"Pattern Recognition Letters. 23. 1569-1577 (2002)

  • [文献書誌] 野村厚志, 一川 誠, 三池秀敏: "反応・拡散モデルによる視覚機能の実現"信学技法 PRMU2001. 297. 197-202 (2002)

  • [文献書誌] A.Nomura, K.Okada, H.Miike, H.Yamada: "Determination of Oscillating Flow Fields by the Gradient Based Method"The 10^<th> International Symposium on Flow Visualization (Kyoto). (2002)

  • [文献書誌] H.Miike, A.Osa, A.Nomura: "Optical Flow Detection by An Extended Gradient-Based Method"Proceedings of the Workshop on Science of Computer Vision. 53-58 (2002)

  • [文献書誌] A.Osa, K.Nagata, S.Tsukamoto, T.Kinoshita, M.Ichikawa, H.Miike: "Deformation Based on Perception of The Human Visual System"Proceedings of the Workshop on Science of Computer Vision. 59-64 (2002)

  • [文献書誌] A.Nomura, M.Ichikawa, H.Miike: "Edge Detection and Segmentation with a Reaction-Diffusion Mechanism"Proceedings of ACIVS2002. 300-306 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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