研究概要 |
1.VEZF1cDNA-IRES-EGFPのフラグメントをES細胞用発現ベクター、pHPCAGに挿入して、マウスVEZF1センス、アンチセンスcDNA発現ベクタ-(VEZF-S, VEZF-AS)を作製し、スーパートランスフェクション法でES細胞株(MG1.19)に導入した。 2.未分化状態を維持した系(LIF存在下でゼラチン上に培養)でのMG1.19には既にVEZF1が発現していることがRT-PCR、ウエスターンブロットで確認された。 3.我々は当初コントロールとしてIRES/EGFPをES細胞用発現ベクターpHPCAGに導入して作製したものをMockとして用いたが、EGFPの発現が見られなかったため、EGFPの部分のみを導入したものをMockとして用いた。 4.EGFPの発現はMock、VEZF1-S、VEZF1-ASの各細胞株で確認されたが、RT-PCR、ウエスタンブロットを用いて検討したVEZF1のmRNAならびに蛋白の発現レベルではこれら3種の細胞株に差異はなかった。 5.さらにLIF非存在下でOP9上に培養する分化系に移しても、内皮前駆細胞のマーカーの一つであるVEGFR2の発現も、これら3群に有意の差は見られなかった。 6.我々はVEZF1が血管内皮細胞の増殖・遊走・ネットワーク形成に重要であることをin vitro並びにin vivoの系で見出したが(投稿中)、VEZF1が内皮細胞の分化にも関与するか否かについては、ASベクターによるVEZF1の発現抑制の失敗により、確認できなかった。 7.今後はsiRNAによる発現抑制を試みる予定である。
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