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2003 年度 実績報告書

ビスフェノールA投与による性ホルモンのグルクロン酸抱合低下とその解析

研究課題

研究課題/領域番号 13833008
研究機関酪農学園大学

研究代表者

横田 博  酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90137414)

キーワード内分泌攪乱物質 / グルクロン酸抱合反応 / UDP-グルクロン酸転移酵素 / ビスフェノールA
研究概要

これまでの結果から、ビスフェノールAはラット肝細胞において、エストロジェン受容体に結合した後、UGT2B1mRNAの発現を抑制している事が明らかとなった。さらに、肝臓以外の臓器(精巣など)での、作用は見出されず、肝臓特異的である事が分かった。
1.ビスフェノールAの雌ラット肝臓UGTへの影響を調べ、雄特異的作用かどうかを調べた。その結果、ビスフェノール投与による性ホルモングルクロン酸抱合能の低下は、雌ラットには起こらなかった。すなわち雄特異的現象であることが分かった。この事は、雄肝臓でビスフェノールAはエストロジェン受容体を介して性ホルモンのグルクロン酸抱合酵素の発現調節系に作用していることが分かった。
2.ビスフェノールAの投与後の代謝を詳しく調べるために、ビスフェノールAの雄ラット胃内灌流と反転腸管灌流実験を行った。その結果、ラット胃粘膜細胞で投与されたビスフェノールAの一部はグルクロン酸抱合され、もとのものと一緒に吸収されることが分かった。さらに、腸管上部において粘膜細胞でグルクロン酸抱合され、管くう側に戻される事が分かった。その後、盲腸でほとんど全ての抱合体が脱抱合され、もとのビスフェノールAに戻されて、結腸で吸収された。その後、肝臓に運ばれ、グルクロン酸抱合されて胆管を経て腸内に戻される事になり、腸管循環していることが判明した。
これらの結果より、肝臓ではビスフェノールAの暴露を何度も受けることにより、臓器特異的に影響を受けることが分かった。肝でエストロジェン受容体に結合した後、雄特異的に存在する因子に作用し、グルクロン酸抱合酵素の発現調節系に影響を与えることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Inoue, H., Yuki, G., Yokota, H., Kato S.: "Bisphenol A Glucuronidation and Absorption in Rat Intestine"Drug Metab.Dispos. 31. 140-144 (2003)

  • [文献書誌] Daidoji T, Inoue H, Kato S, Yokota H: "Glucuronidation and excretion of nonylphenol in perfused rat liver."Drug Metab Dispos.. 31. 993-998 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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