研究課題/領域番号 |
13834004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
大庭 絵里 神奈川大学, 経営学部, 助教授 (60221834)
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研究分担者 |
松宮 満 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 助教授 (80330364)
野田 陽子 淑徳大学, 社会学部, 教授 (30175525)
土井 隆義 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (60217601)
宮園 久栄 東洋学園大学, 人文学部, 講師 (40348446)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 少年非行 / 犯罪 / 新聞記事 / 少年院 / 少年法改正 / 児童虐待 / 言説 |
研究概要 |
本研究は、少年の側、及び「大人たち」の側の日常生活世界の文脈から、少年の逸脱行動及び少年非行を考察することが目的であった。そこで、当初は、1)少年の日常文化や青少年文化についての調査、2)「大人」の視点からみる「少年非行」について、という二つの調査を予定していた。しかしながら、これら二つの調査を遂行するには、本科研費による資金、及び人員のみでは十分でないことがわかり、後者の調査を中心とすることを余儀なくされた。そこで、日本社会における「大人」たちの少年非行に対する視点の変化、語りの変化に着目する一つの方法として、過去の大阪少年補導協会所蔵の過去の新聞記事に着目した。 主に、1950年代から1970年代までの期間の殺人、強盗、児童虐待、少年法改正議論を中心に、様々の制約のある中で、記事見出しのデータベース化と記事のコピーを行った。 新聞記事は、当然ながら、当時のメディアによって構築された「現実」である。本研究では、それを「実際」の事件の詳細として捉えてはいないが、当時の社会がいかなる少年観、非行観をもっていたかは、記事から推察可能と考える。その主だった特徴は、記事の「語り」が、現在よりも、はるかに情緒的であり、また、evil-causes-evil"という「悪の循環」的な発想が、はるかに根深く存在することである。犯罪・非行への烙印が、被疑者の人権や刑事司法手続きに関する言説よりも顕著であり、いかに社会統制的な視点によって少年の行動が見られていたかが伺えた。さらに、大阪のローカルな文化や歴史を背景とした事件を考察するための資料を得ることができた。
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