研究課題/領域番号 |
13836010
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高橋 洋子 北里大学, 北里生命科学研究所, 助教授 (80197186)
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研究分担者 |
荒井 雅吉 北里大学, 北里生命科学研究所, 助手 (80311231)
塩見 和朗 北里大学, 北里生命科学研究所, 助教授 (40235502)
供田 洋 北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (70164043)
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キーワード | 未利用微生物 / 新規有用物質 / 微生物資源 / 休眠細胞活性化因子 / グラム陽性高G+Cバクテリア |
研究概要 |
微生物由来の新規有用物質探索のための新たな微生物資源確保のため、土壌中の未利用微生物を分離することを目的とした。グラム陽性、高G+CバクテリアであるM.luteusが、休眠細胞を活性化し成育を促進するタンパク(17kDa)を菌体外に生産するとの報告にヒントを得て以下の実験を行った。本菌株の培養ろ液を微生物分離用の寒天培地に添加し、無添加との比較を行った。出現菌数や、分離菌株の種類を比較したところ興味深い結果が得られた。土壌試料の1例を挙げると、無添加では、1.1x10^7コロニー/1gであったのに対し、添加では、2.2x10^7コロニー/1gと2倍のコロニ出現数が得られた。これらのコロニーを単離して比較したところ無添加では17菌株であるのに対し、添加では33菌株が分離でき、種類の異なる菌株が分離されていることが分かった。また、これらの菌株について、我々が開発した23S rDNA可変傾域のPCRによるグラム陽性、高G+Cバクテリアの識別法を応用したところ無添加と添加で、それぞれ14株((82%)と29株(88%)が同群のバクテリアであった。SDS-PAGEによりM.luteusの培養ろ液中の17kDaタンパクの検出を試みたが、現在のところ検出できていない。しかし、上記の結果から、このろ液中にはM.luteus自身のみならず、他のグラム陽性、高G+Cバクテリアの出現頻度を高める何らかの因子が含まれていると考えられる。グラム陽性、高G+Cバクテリアは、グラム陰性菌や、グラム陽性、低G+Cバクテリアに比較し一般的にゲノムサイズが大きく二次代謝産物生産においても多様性に富んでいることが期待される。現在、これら分離菌株の有用物質生産性について調査中である。
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