研究課題/領域番号 |
13837002
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研究機関 | 川村学園女子大学 |
研究代表者 |
若桑 みどり 川村学園女子大学, 人間文化学部, 教授 (30015234)
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研究分担者 |
栗田 禎子 千葉大学, 文学部, 助教授 (10225261)
池田 忍 千葉大学, 文学部, 助教授 (90272286)
川端 香男里 川村学園女子大学, 人間文化学部, 教授 (50000592)
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キーワード | 植民地 / 独立運動 / ナショナリズム / インド / ジェンダー / スーダン / スワデシ運動 / マフディー運動 |
研究概要 |
(1)インドの大英帝国の植民地支配に抵抗する独立運動は、ガンデイー指導の非暴力不服従と外国製品不買運動(swadeshi)に代表されるが、彼はこの運動にインドの全階層の女性を総動員した。その理由は第一に、非暴力忍従が女性の美徳であり、第二にswadeshiのインド国産織布生産販売運動が、紡ぎ・織りという伝統的な女性の仕事だったからである。総括すればインドは帝国を男性/暴力と規定するいっぽう、インドを女性化することで対抗したのである。このとき、swadeshiの女性表象として怒れる母女神カーリがベンガル中心に崇拝され、神殿、偶像、絵画が大量に生産された。黒い肌のカーリはインダス文明が白人の征服を受ける以前の民族神であり、征服されざるインドの象徴となった。このことが文学と絵画によって実証された。(2)日本の1920年代から40年代にかけて、日本には二つの異なった女性表象があった。一は日本の西洋化、近代化を表象する「都市空間の女」即ち「モダンガール」であり、二は植民地化された朝鮮、中国の「民族服の女」とくに「支那服の女」である。この二種類の女性像によって日本の近代絵画は帝国主義日本を卓越化し、朝鮮/中国を非文明化したのである。(3)1881年から98年のマフデイー運動において、伝統的にヴエールを被り公的世界に姿を表すことのなかったスーダンの女性は、エジプト支配、イギリス支配に抵抗する民族解放運動に参加し激烈に戦った。だが、そのとき彼女らは男装した。この「男装の聖戦士」は、しかし、歴史記述段階で男性によって隠蔽された。これは現代のスーダン・ナショナリズムの男性中心主義と女性を私的世界に幽閉するイスラームのジェンダー規範によるものである。男性の服装によって隠蔽され、歴史からも隠蔽されたスーダンの女性の存在が明らかになった。以上の論文は報告書によって公表される。
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