本年度は、前年度、前々年度で導かれた知見を、来年度の配票調査によって検証するための準備を行った。 具体的には本研究でこれまで質的研究によって導かれた知見と、先行研究のレビューを行い、調査票を作成した。また、これまでの研究で不明確だった点を明らかにするために、障害児の母親に対するインタビューを追加した。また現在、来年度行う配票調査の準備、特に、対象者への協力依頼を行っているところである。 現時点での調査目的は以下の点である。1)障害児の「母親意識」、特にこれまでの質的研究によって導かれた「子へのトータル・コミットメント」の検証、2)「子へのトータル・コミットメント」が母親にもたらす影響、特に、生活ストレス、サポートネットワークの獲得、well-beingにもたらす影響の検証、3)障害児の夫婦間における「役割関係」「性別役割分業意識」を健常児の夫婦間におけるそれと比較する。 現時点での調査項目案は、子どもの養育意識(「子へのトータル・コミットメント」)、自分の人生に対する意識、生活ストレス、サポートネットワーク、性別役割分業意識、夫との役割関係、well-being(生活満足度、心身健康状態)等である。
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