研究課題/領域番号 |
13837018
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
森 理恵 京都府立大学, 人間環境学部, 助教授 (00269820)
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研究分担者 |
福田 珠己 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (80285311)
原口 志津子 富山県立大学, 工学部, 助教授 (40208666)
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キーワード | ミュージアム / 展示 / 性別役割分業 / 美術 / 工芸 / 源氏物語 / 地域 / 生活 |
研究概要 |
本年度は、昨年度にひきつづき、国内主要美術館博物館の展示調査を行なうとともに、新しい共同研究者、福田珠己氏を迎えて、地域博物館についてもできるかぎり調査を行なった。 研究会は、第一回を9月15・16日に京都府立大学で、中古文学研究者石原美紀氏と、考古学研究者菱田淳子氏を招いて意見交換し、各地の文学館や考古学博物館の展示の理念に近年のジェンダー研究が反映されていないことを明らかにした。第二回研究会は、12月25日に京都府立大学において、社会学研究者藤田嘉代子氏に「主婦論の現在と課題」、NHK近畿メディアプランディレクター湯浅真紀氏に「展覧会業務について」と題してそれぞれ講演してもらい、現代社会における「主婦」の位置や、「主婦」を対象に展覧会が組み立てられる事例につき明らかにした。 そしてこれまでの成果を踏まえて、二度にわたり研究発表を行なった。第一回目は、10月6日にイメージアンドジェンダー研究会(東京)において、「女性とミュージアム」と題して森が発表した。第二回目は、11月9日に女性史総合研究会第108回例会(京都)において「ミュージアムとジェンダー」と題し、原口・福田、および研究協力者の石原美紀氏・菱田淳子氏により、共同発表を行なった。個々の発表者のサブテーマは、菱田「行政からみた展示とジェンダー」、石原「『国民文学』と「体感展示』をめぐって」、原口「工業、工芸、美術とジェンダー」、福田「共感の先にあるもの」である。二度の研究発表を通じて、美術史・歴史学・文学・女性学など多岐にわたる分野の、ミュージアムや大学の研究者と意見交換をし、また各地のミュージアムにおける性別役割分業の実態につき情報を得るなどした。 さらに、首都圏の美術館博物館数十館、関西圏の美術館博物館数十館において、大学生を対象として、展示における性別役割分業観を考えるワークシートを実施した。来年度は、ワークシートの実施結果の分析を行なうとともに、研究の総括に向けて取り組んでいく予定である。
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