研究課題/領域番号 |
13837022
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
望月 康恵 北九州市立大学, 外国語学部, 助教授 (10316151)
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研究分担者 |
大形 里美 九州国際大学, 国際商学部, 講師 (30330955)
森谷 裕美子 九州国際大学, 国際商学部, 助教授 (40221709)
田村 慶子 北九州市立大学, 法学部, 教授 (90197575)
織田 由紀子 (財)アジア女性交流, 研究フォーラム, 主任研究員
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キーワード | 女性 / ジェンダー / 主流化 / 東南アジア / NGO / 国際機構 |
研究概要 |
今年度は、昨年度の研究を踏まえながら、ジェンダー主流化とNGOの役割について、研究代表者・分担者の興味関心分野に基づいて、研究をさらに深めていった。 望月康恵(研究代表者)は、東南アジアの国際機構・制度に着目し、ジェンダー主流化への対応と加盟国との関係について考察を行い、機構・制度の独自の取り組みについて検証した。また、職務権限上の制限、加盟国への影響、取り組みの評価の必要性や将来への課題についても検討した。田村慶子(研究分担者)は、昨年の研究実績を踏まえて、マレーシアおよびシンガポールの女性政策とNGOの関わりについて現地調査と具体的な検討を行った。それぞれの政府の女性政策と女性の地位について歴史的に明らかにし、またNGOが政府や州の政策にどのような役割を果たしているのか、その協力および対抗関係について分析し、問題点と課題を明らかにした。 森谷裕美子(研究分担者)は、昨年の研究実績を踏まえ、フィリピン、パラワン社会におけるNGO活動の個別、具体的な調査を行った。その結果、少数民族社会におけるNGO活動にはジェンダー・メインストリームの配慮が欠けている例が多く見られたため、さらに、少数民族社会に影響力の大きいNGOにどのような課題が残されているかを明らかにし、今後、少数民族社会とNGOにどのような関係が期待されるのかを検討した。 大形里美(研究分担者)は、インドネシアの女性政策の流れ、そして女性組織(社会団体、及びNGO)の発展について昨年度行った研究から、インドネシア政府による2000年以降のジェンダー主流化政策が女性NGOの活動とアドボカシー活動によって実現したものであることを確認した。そこで今年度は昨年度に引き続き、ジェンダー主流化に関連する様々な分野で活動を展開している女性NGOを数多く訪問し、組織の発展、活動内容についてインタビュー調査を行なった。 織田由紀子(研究分担者)は、ジェンダー主流化政策の歴史的変遷を踏まえつつ、アジア地域においてジェンダー問題に関わるNGOについて現状分析を行い、NGOが国境を越えたネットワークを通じて多様な課題におけるジェンダーの主流化の推進に影響を及ぼしてきていることを研究した。 なお、研究会を定期的に開催し、報告および意見交換を行うことによって、研究代表者および分担者は研究の進捗状況および方向性を確認しつつ研究を深め、日本国際政治学会東南アジア分科会(2002年11月淡路夢舞台国際会議場)にて報告を行った。
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