今年度は、(1)「女子教育、性教育、性科学にかんする歴史的資料の収集と整理」および、(2)「社会学や歴史学の方法論を吟味するための文献講き読」をおこなった。 (1)歴史的資料の収集と整理について。まず、女子教育、性教育、性科学の専門研究家に聞き取り調査をおこない、先行研究や資料の所在についての情報を得た。ついで国立国会図書館、日本性教育協会資料室、筑波大学中央図書館などにおいて月経・初潮(初経)教育関連の資料の複写をおこなった。さらに『学制百年史』『性と生殖の人権問題資料集成』『性教育研究基本文献集』等により、近代日本の女子教育・性教育・性科学の系譜をとらえる作業につとめた。 (2)社会学や歴史学め方法論の吟味について。社会学、歴史学、フェミニズムの文献のうち、近代国家、近代家族、セクシュアリテイの分析に重要と思われるものを収集し、方法論の検討をおこなった。 今年度においては(1)(2)で示したとおり、文献や資料の収集と整理につとめることに時間が割かれ、論文や学会での口頭発表の形式にまとめるのは次年度以略になる見通しである。
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