本研究は次の3つの段階をへて進められた。 1 文献・論文の補充と整理、分析(平成13、14年度) (1)「女子教育・性教育・性科学」にかんする文献を蒐集し、研究全体のプランニングをおこなった。 (2)教育機関に通う女子を対象におこなわれた月経調査データベースの構築作業をおこなった。 とくに、戦後日本の月経調査の報告資料108本に着目し、それらの「著者・報告タイトル・掲載誌・報告年・調査の目的」についてのデータベースと、「調査対象者・調査対象者の人数・調査項目」に着目した一覧表の作成につとめた。 2 学会報告(平成15年度) 1のデータベースをもとに、関東社会学会大会、日本社会学会において自由報告をおこなった。 3 報告書の作成(平成16年度) 報告書「近代日本における月経教育の歴史社会学的考察-調査されるものとしての月経」を執筆・製本した。分析編においては、とくに現代における月経の調査は、月に一度の月経血の表出というよりも、二相性を基準とする基礎体温へ関心がシフトしていることを明らかにした。つまり、月に一度はらえばよかった身体への関心が毎日の事象へと変化しているのであるが、これは調査という領域にかかわらず私たちの身体において広く浸透している現象である。こうした現代の月経と女性の生活について、今後のゆくえを含めて論じた。報告書においては1のデータベースを資料編として添付した。
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