研究課題/領域番号 |
13837035
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
野村 鮎子 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60288660)
|
研究分担者 |
林 香奈 金沢大学, 外国語教育センター, 助教授 (30272933)
中山 文 神戸学院大学, 人文学部, 助教授 (30217939)
筧 久美子 奈良女子大学, 文学部, 教授 (80031342)
成田 静香 関西学院大学, 文学部, 助教授 (00237603)
西川 真子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 専任講師 (80319384)
|
キーワード | ジェンダー / 中国女性史 / 家 / 女性 / 家族史 / 婚姻 |
研究概要 |
本研究は、中国の古今の文献資料をジェンターの視点から読み直し、「家」と「女」の関わりを考察することを目的とするものである。研究会はまず2つの班に分れて研究を進めた。すなわち、伝統社会研究班は、主に中国古典籍の中に現れた「家」や「女」の有り様を分析し、近代社会研究班は、旧社会の「家」を脱した近代の女たちがどんな「家」を再構築しようとしたのかについて検討を加えた。 2つの班を統轄軸する全体研究会は、平成13年度に合計9回、研究分担者のみの会合は5回開催した。全体研究会の主なテーマは伝統社会研究班と近代社会研究班の間の共通理解である。劉寧元主編『女性史類編』(北京師範大学出版社)が挙げる項目にそって、各班から1名ずつが報告、全体で討論を行った。これによって、中国女性史の研究あるいはジェンダーの視点からの研究が、既存の時代区分や従前からある文学や歴史といった学問ジャンルを超えた力を有していることを確認し合った。 また、隣接する分野である日本女性史・日本家族史・中国経済史の分野から外部講師を招き、「近代日本における教育と家族」、「日本中世の<家>の成立と妻の位置」、「南宋の裁判にみる家の経営と女性」についてレクチャーを受けた。その結果、中国の「家」や「女性」についての研究は、「家族史」や「婚姻」とも大きく関わること、また、アジア全体を視野に入れる必要のあることがわかった。 なお、研究代表者の野村は、8月に中国四川省で行われた蘇軾没後900周年記念学会に参加し、「蘇軾<保母揚氏墓誌銘>の謎」を報告した。士大夫階層の家の中の女性について光をあてた研究であり、従来、ジェンダーとは無縁と思われていた古典文学の分野に一石を投じ、学会で注目された。
|