研究課題
本年度は、調査対象となるべき向島ニュータウン・槙島グリーンタウンだけでなく、中部地方の高蔵寺ニュータウン、関西地方の千里ニュータウンのフィールド調査に全員で赴いた。その結果、各ニュータウンは、入居30年後の現在、一斉に立替えとリニューアルに着手していることがわかった。住人の生活と、生活の容器である住居および町並みの間にズレが生じている。高齢化、少子化、階層や異文化の混在と分離などという深刻な問題系が明らかになった。これらを、ジェンダー変数を考慮に入れたニュータウン把握の指標と定め、来年度以降の研究を進めることにした。平成13年度は、計4回の研究会を実施した。各研究会の詳細を以下に記す。第1回研究会を、7月6日から8日に実施した。研究代表者西川が趣旨説明と基調報告を行い、意見交換と文献リストの共有を実施。また、向島ニュータウン・槙島グリーンタウンの空間的概要把握のため巡検調査を行い、建築物や共用空間などの街区単位での特質把握に努めた。第2回研究会は、11月9日から11日まで、愛知県高蔵寺ニュータウンの現地調査を実施。初期模型や公団のリニューアル住戸の見学、高蔵寺ニュータウン計画担当者であった津端修一氏への聞き取りを行った。さらに、タウンセンターの見学や住民の社会活動に関する聞き取り及び意見交換を実施した。最終日は岐阜県営住宅ハイタウン北方の見学と、行政担当者・住民へのインタビューを実施した。第3回研究会は、平成14年2月22日から24日まで、千里ニュータウンおよび泉大津市府営なぎさ住宅の調査を実施。住戸見学はもちろんのこと、公民館活動や地域の住民サロンの観察やインタビューを実施し、住民ネットワーク形成の現状理解に努めた。第4回研究会は、2月28日に、今年度研究総括と来年度計画についての議論を行った。さらに向島ニュータウンの調査経験者との意見交換の場を持った。
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