研究概要 |
本年度は,現地調査,データの整備状況調査,農業かんがい省土地管理局との打ち合わせに基づき,調査対象地のレグー郡区の土地利用・作付け・かんがい施設関係の資料収集を行い,村落区・クウィンおよび選定した4村落区の一筆単位の作付けに関するGISデータベースを整備した.続いて,GISデータベースの村落区一筆単位の作付けデータを教師としたリモートセンシングデータ(LANDSAT7/ETM+)の解析を行い夏作(12月〜3月作)のかんがい施設導入後の稲作範囲,作況に関する分布図を作成し,クウィン毎のコメの生産量データと比較した.また,かんがい施設導入前後の作付け面積の変化を把握し,リモセン解析結果を加味して,かんがい施設が地域の稲作に対してどのような影響を与えているかを考察した.その結果,かんがい施設導入が必ずしも地域農業における適正な水利用に貢献していないこと,作付けが農業政策に大きく影響されると推測されること,データ整備上の問題として作付け調査・土地管理システムに不備があることなどを明らかにし,農業かんがい省土地管理局および計画局に報告し,意見交換を行った.また,クウィンマップの活用法に関する考え方を整理し"Kwin Map Interpretation as an Examination on Topography and Land Use in Middle Myanmar Irrigated Area"としてヤンゴンで開催された国際シンポジウム"Sustainable Development of Irrigation Agrarian Society in Myanmar"において,またリモセンを活用した作付けの環境へのインパクトの分析手法を"A Study on Spatial Distribution of Nitrogen and Phosphorus Balance and Regional Nitrogen Flow through Crop Production ; An Examination of Spatial Distribution Patterns of Cropping Units Using Remote Sensing Data for Nitrogen Flow and Runoff Model in Agricultural Area"として中国蘇州で開催された第1回国際会議"Soil Quality Evolution Mechanism and Sustainable Use of Soil Resources"において発表した.
|