研究課題/領域番号 |
13838009
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
開發 一郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (60160959)
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研究分担者 |
小野寺 真一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50304366)
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教授 (30201495)
山中 勤 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80304369)
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キーワード | 寒冷乾燥地域 / 流出 / 水循環 / セルベ川 / 流出解析 / 水収支 / 水質分析 / 同位体比分析 |
研究概要 |
トーラー川流域のモンゴル国自然環境省IMH(気象水文研究所)の試験流域の1998年-2000年の河川水文データーおよび簡易ステーションの気温と地温のデーターの処理・クオリテイ-チェックとデータセットの作成を行なった。データの解析の結果、4月から10月までに流出が見られ、降雨に対するレスポンスは明確であることも分かった。ただ4月の流出は無降雨でも流出の変化が見られ、これは凍土の融解の影響と考えられた。つまり、試験流域の地温の測定結果の解析から10月中旬から4月まで深度5cmの地温が零下となり、土壌が凍っていたことが明らかであり、流域も全体的に凍土と化していたと思われ、4月の土壌融解(地温が+に転じている)に伴って流出に変化が生じたと判断される。この試験流域の降雨-流出や凍土融解-流出の流出機構の解明は特異な現象(寒冷乾燥地域の水文特徴)であり、水質調査や同位体比分析などの手法を駆使し、今後さらに検討を加える。一部のデータを用いて、流出解析を行い、パラメーターのキャリブレーションや流出モデルの改良を行いながら、流出率を求め、それは約0.4であった。さらに1998年-1999年の試験流域の水収支計算を行い、試験流域の5月から10月までの蒸発散量が降雨量の約60%であることが分かった。 2002年度設置予定の自動水循環ステーション(WaCS)のデザインおよびセンサーとシステムテストを室内と野外で行い、種々の検討を行った。WaCSのテストサイトの位置決め現地で行い、地形や簡易土壌調査を行い、関係資料を収集した。また、NOAAの衛星情報を基にNDVIの解析を行い、試験流域の植生分布解析を実施中である。
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