研究課題/領域番号 |
13838009
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
開發 一郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (60160959)
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研究分担者 |
山中 勤 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80304369)
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教授 (30201495)
小野寺 真一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50304366)
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キーワード | 寒冷乾燥地域 / 流出 / 水循環 / セルベ川 / 流出解析 / 水収支 / 水質分析 / 同位体比分析 |
研究概要 |
トーラー川流域のモンゴル国自然環境省IMH(気象水文研究所)の試験流域2001年の河川水文データーの処理・クオリティーチェックとデータセットの作成を行なった。データの解析の結果、従来どおり4月から10月までに流出が見られ、降雨に対する流出のレスポンスは明確であることも分かった。やはり3月・4月の流出は無降雨でも不規則な流出の変化が見られ、これは凍土の融解・凍結の影響と考えられ、降雨-流出や凍土融解-流出の寒冷乾燥地域の水文特性の実態を捉えている。 2002年6月に自動水循環ステーション(WaCS)を試験流域内のサンザイサイトに設置し、水循環モニタリングを開始した。モニタリングは順調に行われており、2003年の2月までのデータ回収を終え、目下データ処理と現象解析を実施中である。また、2002年8月には流域内の河川・湧水の集中水文調査(土壌ほかの一般調査を含む)を行い、湧水分布や流量の実態把握を行った。その結果、湧水の水温は約4℃、pHは6.9-7.2、電気伝導度は83-27μS/mであった。セルベ川の流量はほとんどゼロであり、この時期は渇水状態であった。目下、セルベ川と湧水の水の水質分析と同位体比分析を実施中である。 地下水涵養観測のための比較研究の一環として、現在同時に行っているモンゴル高原での自動水循環観測ステーションモニタリングのTDR土壌水分測定センサーの温度補正解析も行い、モンゴル高原全般での水分測定の温度効果について明らかにした。 今後は水質・同位体比の解析および衛星情報による地表面解析や2000年と2001年の試験流域の水収支計算およびWaCSモニタリングデータの解析を行って、試験流域の水文特性の把握を行う。 15年度(最終年度)はこれらの解析結果をまとめ、関係機関に公表する。
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