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2002 年度 実績報告書

マウス生殖細胞における自然突然変異の特異性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13839004
研究機関東北大学

研究代表者

小野 哲也  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00107509)

研究分担者 池畑 広伸  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90250737)
キーワードマウス / 睾丸 / 生殖細胞 / 突然変異 / ミスマッチ修復 / 欠失変異
研究概要

生殖細胞における自然突然変異の特異性を明らかにするために平成14年度は以下のことを調べた。
(1)DNAミスマッチ修復に関与する遺伝子のひとつであるMlh1遺伝子を欠損したlacZトランスジェニックマウスでは減数分裂が始まる前の幼若期(15〜19日令)の睾丸でも成長して(2ヵ月令)細胞分化の進んでいる睾丸でも野性型のものより14〜20倍高い自然突然変異頻度を示した。
(2)上記で見出された変異体についてDNAの塩基配列の変化を調べるとくり返し配列部位でのDNAポリメラーゼのスリップに由来すると思われる欠失変異頻度が約50%に達し、野性型の値(5%以下)より明らかに高かった。
これらの事は、生殖細胞での欠失型突然変異生成がミスマッチ修復系によって低く抑えられていること、しかもそのことは精原細胞のレベルでも、それが分化し始めても大きな変化はないことを示している。
また、これまでに調査した野性型マウスのさまざまな臓器で見出される自然突然変異解析の結果をまとめてみるとスリップ型欠失変異頻度は睾丸では3/103、体細胞組織では47/467であり、この値は睾丸で有意に低く(P=0.0196)、生殖細胞の特異性を示すものである。生殖細胞での欠失型変異が他の体細胞組織に比較してより低く抑えられていることは、欠失型変異が塩基置換変異などと比べ遺伝子への影響が大きいことを考え合わせると、生殖細胞の特異性として合理的であると思われる。すなわち、生殖細胞ではゲノム維持機構が体細胞より高く保たれていることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tetsuya Ono: "Mutation theory of aging, assessed in transgenic mice and knockout mice"Mechanisms of Ageing and Development. 123. 1543-1552 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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