研究概要 |
2004年4月から,法人化という研究基盤の大きな改革が行われ,本研究もそれに合わせた見直しと改定を行った.ただし,本研究の研究目的や目標などを改定するのではなく,基盤機関の研究プロジェクト(資源共有化)の下で,連携した研究協力により,総合的研究を進めると位置づけた. 研究成果を次の3点にまとめる.(1)基盤的な情報資源の収集体制の確立とその進展.(2)海外共同研究拠点の形成とその進展.(3)コラボレーションシステム環境の推進. (1)引続き,海外の研究拠点における研究ディレクトリ,研究論文目録データベース,翻訳作品目録データベースなどを中心とする情報資源の蓄積が進んだ.ホームページの充実も促進した.日本文学コンテンツ形成として,奈良絵本データベースの充実に努め,全文テキストの翻刻を行い,画像ページとの直接対比が可能なデータベース運用を開始した. (2)海外の多くの学協会との協力関係が進展した.とりわけ,AISTUGIA(伊日研究学会)の協力は大きく,Adriana Boscaro教授,Bonaventura Ruperti教授など多くの研究者の支援を得た.とくに,Valerio Alberizzi氏の研究協力により,研究者ディレクトリ,研究論文目録,翻訳作品目録を追加,改訂し,データベースが完成した.SFEJ(仏日研究学会)も,Cecile Sakai教授を始め,College de FranceからNathalie Cazal研究員を招き,フランスにおける研究者ディレクトリ,研究論文目録,翻訳作品目録のデータ作成を完了した. (3)国文学研究資料館,総合研究大学院大学共同研究プロジェクト「資源共有化」と密接な連携を強化し,データベースの一元的共有化実証実験を推進した.国立歴史民俗博物館,国際日本文化研究センター,国立民族学博物館,東京大学史料編纂所,大阪市立大学などとの情報資源共有化接続実験に成功した.Dublin Coreメタデータと情報検索プロトコルZ39.50を基盤技術とした.また,源氏物語を中心とする定評のある古筆切30数点を購入し,画像データベース化すると同時に,注釈,翻刻などのアノーテーションを行う国際コラボレーション環境の構築を開始した. 年度末に,2日間にわたる公開の合同研究集会を開催し,海外から研究者4名(Ikuko Sagiyama助教授(伊),Murielle Hladik研究員(仏),楊錦昌助教授(台),Unita Sachidanand助教授(印))を招聘し,評価を含めた研究発表,講演,シンポジウムを行った.延150余名の参加を得て多大の評価を得た.また,今年度の研究成果報告書を発行した. ホームページは以下の通りである.日本古典文学本文データベース:http://www.nijl.ac.jp/ 国際コラボレーション計画:http://world.nijl.ac.jp/~kiban-s/
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