研究課題/領域番号 |
13851002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 昌久 京都大学, 経済研究所, 教授 (90281112)
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研究分担者 |
石川 義孝 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30115787)
中川 大 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30180251)
文 世一 京都大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (40192736)
森 知也 京都大学, 経済研究所, 助教授 (70283679)
田渕 隆俊 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70133014)
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キーワード | 複雑系 / 集積 / イノベーション / 自己組織化 / 空間経済システム / 交通・通信システム / 都市 / 経済成長 |
研究概要 |
(A)一般的基礎理論 藤田・田渕・森を中心に、空間経済学を複雑系として捉え、空間経済学の基礎理論の拡張を進めた。特に、人間の多様性とコミュニケーションの「場」の形成メカニズムについての数理モデルを具体的に開発し、知識創造と伝播についての動学的基礎試論を発展させた。さらに、経済活動の空間集積度の比較を行える新たなスカラー指標(D指標)を開発すると共に、集積の空間パターンを統計的に特定化する体系的手法を開発した。 (B)産業集積のミクロ分析 森・小長谷を中心に、経済集積の実証研究を進めた。特に、日本の製造業小分類に関して、1980・2000年のデータを用いて上記D指標の計算を行い、集積度の46%が都市圏間での立地パターンにより説明できることを示した。さらに、日本の代表的な産業集積地である東大阪市を対象とし、GISデータにより、業種的特長と空間的構造を明らかにした。 (C)都市システム 黒田・田渕・曽を中心として、都市・地域システムモデルのさらなる一般化、および実証分析を行った。特に、関数形をある程度特定化することにより、解析的に解ける一般均衡モデルの開発に成功し、ロックイン効果やホームマーケット効果などの空間経済学的含意や解釈を導き出すことができた。さらに、これまでの2地域モデルを多地域多産業モデルに拡張し、現実に興味深い様々な現象を説明することに成功した。 (D)国際地域システム 藤田・石川・曽・山本を中心に、空間経済学と国際貿易理論の融合を進展させた。特に、従来の空間経済モデルに多立地・多国籍企業を導入することにより、アジアにおける自動車産業やIT産業など、産業特性に応じた多国籍企業の立地行動と集積形成を説明することに成功した。また、アジア太平洋国際地域間の人口移動の動向を調査し、国際地域空間経済の実証分析のための基礎事実の蓄積を行った。 (E)経済立地と交通・通信システム 文・黒田・中川は交通網と立地の相互依存関係を空間経済学的に分析し、様々な実証分析を行った。特に、空間経済における地域間ネットワーク整備の効果の人口・産業配置に及ぼす長期的な影響、及び国際交通インフラ整備と国際援助の役割について分析した。
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