日本・中国の土地利用・土地被覆変化に関する地域間比較研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13851003
• 研究機関: 北海道教育大学
• 研究代表者: 氷見山 幸夫 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (20142771)
• 研究分担者: 並川 寛司 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (90192244) ; 山下 克彦 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 教授 (80002468) ; 橘 ヒサ子 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (90007170) ; 小野寺 淳 横浜市立大学, 国際文化学部, 講師 (50292206) ; 土居 晴洋 大分大学, 教育福祉科学部, 助教授 (40197992)
• キーワード: LUCC / 土地利用・土地被覆変化 / 日本 / 中国 / 都市化 / 農地利用の変化 / 森林の変化 / 湿地の変化

研究概要

日本の北海道・東北・北陸地方と中国の華北平原・三江平原を中心として、役割分担に従い以下の課題について研究を行なった。
1)土地利用・土地被覆変化の復原とデータファイル化(最新5万分1地形図土地利用データファイルの作成、「土地利用動向調査」の利用、中国土地利用・土地被覆変化情報ベースの開発を含む)
2)土地利用・土地被覆変化の構造分析
3)土地利用・土地被覆変化と環境変化・環境問題との関係の解明(特に湿地と森林の変化)
グループとして実施した主な活動とその成果は次のとおりである:
現地調査:6月石狩平野、7月中国華北平原、9月石川県でグループ合同現地調査を実施したほか、中国三江平原、岩手県、山形県ほかでもテーマ別の調査を行なった。
研究会・シンポジウム:9月に中国から中国科学院地理科学資源研究所の劉紀遠所長、北京師範大学の史培軍副学長らを、イギリスからLand Use Policy誌編集長として知られるA.Mather教授を招き、金沢大学で中国の土地利用問題に関する公開シンポジウムを開催した。また2月に北海道教育大学旭川校においてワークショップを実施した。
出版:CJLUC Project Report 2002を刊行した。また研究代表者が中心となり、Atlas-Land Use/Cover Changes in Selected Regions in the World Volume II(IGU-LUCC)及びLand-use Changes in Comparative Perspective(Science Publishers)を刊行した。
情報ベース関発:中国・日本の両方で、上記1)の情報ベース開発を進めた。
日際研究協力:上記の現地調査・シンポジウムなどを通じ、広範なLUCC(土地利用・被覆変化国際研究計画)研究者の交流が進んだ。また研究代表者は台湾で開催されたLUCC研究者養成セミナーの講師、南アフリカで開催された国際地理学会議でLUCCセッションのオーガナイザーを務めた。

研究成果

• [文献書誌] Tachibana, H., Zhou, J., Sato, M.: "Wetland vegetation and uses in Sanjiang Plain and Eastern North China"Himiyama, Y. (ed.), CJLUC Project Report 2002. China-Japan Comparative Study of Land Use/Cover Changes (II). 121-128 (2003)
• [文献書誌] Zhou, J., Tachibana, H.: "Land Use/Cover Changes in Hokkaido Wetlands, Yufutsu Mires as a Case Study"Himiyama, Y. (ed.), CJLUC Project Report 2002. China-Japan Comparative Study of Land Use/Cover Changes (II). 99-110 (2003)
• [文献書誌] Sato, M., Tachibana, H., Zhou, J., Zhang B.: "A Comparison of Vegetation Distribution and Zoning Systems for Management between Honghe National Natural Reserve and Kushiro Shitsugen National Park"Himiyama, Y. (ed.), CJLUC Project Report 2002. China-Japan Comparative Study of Land Use/Cover Changes (II). 111-120 (2003)
• [文献書誌] Zhou, J., Tachibana, H.: "Land Use/Cover Changes in Hokkaido Wetlands, Yufutsu Mires as a Case Study"Reports of the Taisetsuzan Institute of Science. No.37. 23-36 (2003)
• [文献書誌] 佐藤雅俊, 橘ヒサ子, 周進, 張柏: "洪河国家級自然保護区と釧路湿原国立公園における植生と保護区配置の比較"北海道教育大学大雪山自然教育研究施設研究報告. 第37号. 11-22 (2003)
• [文献書誌] Y.Himiyama, Y.Morishita: "The Use of DID Data for the LUCC Study"北海道教育大学大雪山自然教育研究施設研究報告. 第37号. 37-52 (2003)
• [文献書誌] Katsuhiko Yamashita: "Regional Pattern of Abandoned farmland in Northern Japan"Himiyama, Y. (ed.), CJLUC Project Report 2002. China-Japan Comparative Study of Land Use/Cover Changes (II). 91-98 (2003)
• [文献書誌] 小野寺 淳: "中国沿海開放都市の都市形成と開発区建設-煙台市の事例から-"横浜市立大学論叢 人文科学系列. 53(1・2). 273-296 (2002)
• [文献書誌] 小野寺 淳: "少数民族地域の農家による市場経済への対応-西昌市四合郷イ族集落の事例をめぐって-"石原潤・傅綬寧・秋山元秀編 四川省西昌市の発展-少数民族地域の都市と農村-京都大学大学院文学研究科地理学教室. 153-173 (2002)
• [文献書誌] 氷見山幸夫 編: "CJLUC Project Report 2002"CJLUC. 198 (2003)
• [文献書誌] Y.Himiyama et al.eds.: "Land-use Changes in Comparative Perspective"Science Publishers. 262 (2002)
• [文献書誌] Y.Himiyama: "Land Use/Cover Change Studies in the Period of Globalization. in "Land Use/Cover Changes in the Period of Globalization" (eds. I. Bicik, et al.), pp. 5-15"Charles University, Czech Republic. 215 (2002)