研究分担者 |
古田 幹雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50181459)
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
斉藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
加藤 毅 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20273427)
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研究概要 |
1.多価モース理論,漸近解析,ミラー対称性 Calabi-Yau多様体Mが極大退化点の近くにあるとき,ラグランジュ部分多様体であるようなトーラスをファィバーにする特異なファイバー束の構造を持つことが予想されている.この場合に,Mのミラーである多様体Mは双対ファイバー束で与えられるとされている.これらを仮定した上で,Mの複素幾何学とMのシンプレクティック幾何学の一致を予想するミラー対称性予想の,大部分の結論を導くと考えられる構想を得た.この構想は,深谷が10年弱まえに考えた,モースホモトピー論の多価関数への一般化に基づくものである.あらたに出てくる点は,特異ファイバーおよび焦点集合の周りでの,概正則曲線の分岐理論(ピカールレフシッツ理論のラグランジュファイバー束へのアナロジー,および,ラグランジュ特異点の理論),小平・スペンサー方程式のフーリエ成分に関する漸近解析,これは10年以上前にウィッテンが定式化したモース理論の超対称場の理論としての解釈を,多価モース理論に一般化しさらに相互作用(およびトンネル振幅)を含めるものである.論文は今年度中にできあがる予定である.構想の実現には,多くの未解決問題を解決する必要がある. 2.ラグランジュ部分多様体のなすA無限圏の構成 このA無限圏は8年ほど前深谷がその構成のあらましを考えたが,ラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジーの定義にまつわる問題で完成していなかったものである.昨年プレプリントが完成した深谷,オー,太田,小野の論文でラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジーの定義が完成したので,このカテゴリーも厳密に完成することが可能になった.これは,論文Mirror symmetry and Floer homology IIにまとめた. 3.ホモトピー代数と変形理論 ラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジーに関わって,ホモトピー代数と変形理論の関係をより整備する必要がありその基礎を整理した.これは,深谷,オー,太田,小野の論文の改訂版に含まれる予定で100ページの追加が原稿としてかかれている・またその適用は,Defoemation theory, homologidca algebra and Mirror symmetryという論文にまとめた.
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