研究分担者 |
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
望月 拓郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10315971)
山口 孝男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00182444)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
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研究概要 |
1.ラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジー論の確立. 当初の研究目的の中心であったこの点に関しては,深谷・太田・小野・Y-G Ohの共著である,Lagrangian intersection Floer homology - Anomaly and obstructions,の改訂版によって満足がいく形で,完成をみた. この書物において,(相対スピン構造を持つ)ラグランジュ部分多様体に対して,そのコホモロジー群上のフィルター付きA無限構造を対応させる関手的対応が確立され,そのシンプレクティック幾何学への5でのべるような応用が行われた.(ミラー対称性との関係は3で述べる.) 2.弦理論との関係の追求 擬正則円盤のモジュライ空間に関しては,内点をmarked pointにもつ場合への理論の拡張を行った. 3.ホモロジー的ミラー対称性 1で述べた諸結果により,予想を正確に述べることが可能になった.漸近展開による方法,rigid幾何学による方法等が有り,前者は深谷により構想された. 4.接触ホモロジーとの関係 ループ空間を用いる定式化により,接触ホモロジーとのただしい関係に関する予想が定式化された. 5.シンプレクティックトポロジーへの応用. 3次元の素な多様体が3次元複素ベクトル空間のラグランジュ部分多様体になるのは,円周を直積因子に持つときであることを証明した.関連して,オーダンの予想を一般のスピンK(pi,1)多様体へ拡張した形で証明した.(深谷) フレアーホモロジーのねじれとホーファー距離の関係を明らかにした.モノトーンラグランジュ部分多様体に対する,アーノルド・ギヴェンタルの予想を証明した. シンプレクティック微分同相群の中の完全シンプレクティック微分同相の作る部分群がC1位相で閉であるという,フラックス予想を証明した.(小野)
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