研究課題/領域番号 |
13852008
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西尾 茂文 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00111568)
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研究分担者 |
相澤 龍彦 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (10134660)
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80292754)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2005
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キーワード | エネルギー有効利用 / 低温排熱 / ヒートパイプ / 熱電素子 / ソフトエンジン |
研究概要 |
各種調査結果を基に温度レベルごとの排熱量を推計し、300℃以上の排ガスが少なくとも一次エネルギーの7%、85〜300℃の排ガスが少なくとも4%存在することが分かった。 排熱回収用の熱輸送デバイスとして、細径化による外側熱伝達特性の改善が最も期待できるSEMOS-heat-pipeを選定し、R141bを作動流体として、高温部・低温部間の短尺化(20mm程度)と内径0.5mmへの細径化とにより姿勢自由度の高いSEMOS-heat-pipeを開発した。これを原型として、250℃までの温度範囲で作動する細径・短尺・自由姿勢SEMOS-heat-pipeの開発に成功した。さらに、熱輸送特性を予測しSEMOS-heat-pipeに関する設計指針を得るため、蒸気プラグ部と液体スラグ部とを作動流体ユニットとするシミュレーションモデルを構築した。 中間温度域で従来使用されてきたPb-Te系に代わって利用できる高効率熱デバイス材料の探査と創製実験とを行い、p型に関しては、Zn-Sb系において、700K程度まで高効率で、ZT=0.91の数値を達成できることを確認した。次に、出発元素粒素材から微細組織制御された熱電合金・熱電化合物シート材までのデバイス化プロセスを開発した。特にBi-Te系においては、溶解-鋳造過程、単結晶創製過程なしに、単結晶と同程度の熱電特性と単結晶材の7倍強の強度を有する熱電シートを創製できた。最後に、p型・n型デバイスと電極とをバッファー材を介して直接拡散接合させることで、半田フリーのプロセスを開発した。 ビスマス・テルル系汎用熱電モジュールの両面にSEMOS heat pipeをそれぞれ1本ずつ加熱用、冷却用として配置したモデルエンジンを試作し、変換効率0.86%が得られることを示した。SEMOS heat pipeの実効熱伝導率は銅の100倍程度に達しているが、接合部における熱抵抗の軽減が課題として残った。
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