研究課題/領域番号 |
13852010
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 正行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10181786)
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研究分担者 |
戸田 裕之 同志社大学, 工学部, 助教授 (00202200)
丸田 章博 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40252613)
河崎 善一郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60126852)
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キーワード | 非線形光学 / 光ファイバ / 光通信 / ソリトン / 先端的通信 / 光信号処理 |
研究概要 |
1.基礎実験および数値シミュレーションによる超高速長距離光伝送の総括的研究 ・毎秒160Gbit/sの超高速伝送に関して、伝送路の分散揺らぎがある場合の伝送特性劣化を準線形伝送方式と高密度分散マネージメント(DDMS)伝送方式の両者について検討し、分散トレランスや分散補償の有効性を明らかにした。 ・SMFとDCFからなる周回伝送系を用いて、擬似80Gbit/sの高速伝送実験を行い、ファイバの非線形効果を利用した信号再生器を伝送路に挿入することによって伝送距離を大幅に延長できることを示した。 2.ファイバ中の非線形光学効果を利用した信号処理の理論と実験 ・ファイバの非線形効果を利用した種々の信号再生器に関して、振幅安定化に伴う信号位相揺らぎの発生を数値計算と実験によって観測し、出力信号の位相揺らぎは四光波混合の飽和を利用した信号再生器において最も小さくなり、DPSK信号等の位相変調信号の再生に有効であることを明らかにした。 ・正常分散高非線形ファイバ中の非線形的なスペクトル幅変化を利用した全光2R信号再生器を作成し、80Gbit/sの速度において受信感度を改善する効果があることを示した。 ・ファイバ中における自己位相変調またはソリトン効果によって変形したスペクトルを、アレイ導波路形回折格子を用いてスライスし、ファイバへの入射光電力に依存した数のパルスを得る電力制御型のパルス数変換法を提案し、グレイ符号に基づく2ビットの光量子化および光符号化の原理確認実験を行った。 ・光スイッチを多段接続し、シリアル-パラレル変換された光ディジタル信号によって各スイッチの開閉を行う、位相調整が不要な光ディジタル-アナログ変換法を提案した。また、光スイッチとして非線形ループミラーを用いた、2ビットのディジタル信号入力に対する原理確認実験を行った。 ・異なる波長の光ソリトンがファイバ中で衝突する際に生じる時間シフトを全光遅延線に応用する方法を提案し、原理確認実験を行った。ソリトン同士の衝突では、衝突の前後でパルス波形が歪むことはないので、多数個のパルスとの衝突により遅延量を大きくすることができる。
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