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2002 年度 実績報告書

既設土構造物の高耐震補強と高耐震環境適合土構造物建設への補強土工法の高度化利用

研究課題

研究課題/領域番号 13852011
研究機関東京大学

研究代表者

龍岡 文夫  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)

研究分担者 内村 太郎  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60292885)
古関 潤一  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30272511)
東畑 郁生  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
田中 忠治  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70167500)
キーワード土構造物の耐震性 / 既設構造物の耐震補強 / ジオテキスタイル / 補強土構造物 / プレロード / プレストレス / 非線形三要素モデル / 変形シミュレーション
研究概要

(1)ジオテキスタイル補強土構造物の常時の性能として、上部構造物の荷重と自重による定荷重、および交通荷重などによる繰返し荷重に対する変形性が重要である。このような変形を予測するためには、盛土材の定荷重、繰返し荷重に対する変形特性を知る必要がある。これらの性質について、補強土橋脚の小型模型への載荷試験、盛土材の三軸圧縮試験、無補強及び補強水平地盤上の帯基礎載荷および実現場の補強土構造物の長期計測・載荷試験の結果から、考察を行った。その結果、次のことが分かった。
・高い一定の圧縮荷重をかけ続けること、荷重を繰り返し変化させることは、ともに圧縮変形を促進する。
・ただし、繰り返し載荷を同時にかけた場合、応力が繰返し変化することによるひずみの進行のほかに、荷重が時間とともに変化することによるクリープ変形量への影響も現れる。繰返し載荷が小さい場合は、この影響が相対的に大きくなる。従って、同じ荷重レベル、振幅での繰り返し載荷では、載荷速度が速いほうが変形が小さい。
・これらの現象は、砂や礫などの盛土材だけではなく、高分子材料からなるジオテキスタイル補強材でも見られた。特に、通常の繰返し荷重振幅では、繰返し載荷中に生じる残留ひずみは殆ど粘性によるものであることが分かった。
(2)盛土材料の粘性の非線形三要素モデル化を高度化し、それを非線形有限要素法コードに組み込んだ。この方法により、平面ひずみ圧縮試験や模型支持力実験で観察される粘性による時間効果をシミュレーションできるこが分かった。
(3)重量構造物の免震基礎を想定したPLPS補強盛土の模型振動台実験を行った。その結果、共振する可能性が全くないと仮定して、免震性能だけを考慮して設計するとプレストレスとラチェット装置は効果がなく、いわば柔らかく支持することが望ましいということがわかった。一方、実際には海洋型大地震などの長周期地震動が発生し、盛土が共振する虞がある。そこで、上記の模型振動台実験においてPLPS補強盛土を共振させ、その時の挙動を考察することにより、PLPS補強盛土の構造物としての究極的な安全性を検討した。その結果、PLPS補強盛土を、重量構造物の免震基礎として有効に機能し、かつ、共振を含めて多様な載荷条件に対する安定であるように設計する際には、プレストレスを載荷した上で、ラチェット装置を設置することが重要である。ラチェット装置を設置すれば、滑動抵抗力(つまり拘束圧)が最も減少する地点においてプレストレスが増大することにより、滑動を回避できることが分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 内村太郎, 柴田芳雄, 平川大貴, Ko DongHee, 伊藤寛倫, 龍岡文夫: "補強土構造物の定荷重および繰返し荷重による変形特性"ジオシンセティックス論文集. 17巻. 221-226 (2002)

  • [文献書誌] 半井健一郎, 渡辺健治, 舘山勝, 内村太郎, 龍岡文夫: "PL・PS補強土橋台の三次元模型振動台実験"ジオシンセティックス論文集. 17巻. 33-40 (2002)

  • [文献書誌] 古谷明寿, 半井健一郎, 内村太郎, 龍岡文夫: "免震基礎としてのPLPSジオテキスタイル補強盛土の振動台実験"ジオシンセティックス論文集. 17巻. 41-48 (2002)

  • [文献書誌] Uchimura T., Tatsuoka F., Shinoda M., Sugimura Y., Kikuchi T.: "Roles of tie rods for seismic stability of preloaded and prestressed reinforced soil structures"Proc. the 7th Int. Conf. on Geosynthetics, Nice. Vol.1. 115-118 (2002)

  • [文献書誌] Nakarai K, Uchimura T., Tatsuoka F., Shinoda M., Watanabe K., Tateyama M.: "Seismic stability of geosynthetic-reinforced soil bridge abutment"Proc. the 7th Int. Conf. on Geosynthetics, Nice. Vol.1. 249-252 (2002)

  • [文献書誌] Shinoda M., Uchimura T., Tatsuoka F.: "Increasing the stiffness of mechanically reinforced backfill by preloading and prestressing"Soils and Foundations. Vol.43, No.1. 75-92 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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