研究課題/領域番号 |
13852014
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐宗 章弘 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40215752)
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研究分担者 |
谷内 哲夫 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (80260446)
小林 秀昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30170343)
澤田 恵介 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80226068)
山口 滋 東海大学, 理学部, 教授 (40297205)
堀澤 秀之 東海大学, 工学部, 助教授 (30256169)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2005
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キーワード | レーザー / 推進 / インパルス / 流体不安定性 / プラズマ / 衝撃波 |
研究概要 |
研究代表者が独自開発した「レーザー駆動管内加速装置」について、作動実証、インパルス(力積)発生における衝撃波/膨張波/レーザープラズマの干渉とそれが引き起こす流体不安定性などの基礎物理を解明し、さらに推進性能スケール側の確立、アブレーションによる飛躍的な推進性能向上策などを見出し、実用展開への足掛かりを確立した。本装置では、管内閉じ込め効果と適切な作動気体、充填圧力の設定により、従来方式の3倍程度の(運度量結合係数)=(運動量)/(エネルギー)を実現した。衝撃波力学的な考察から、運動量結合係数は作動気体の音速に反比例することを見出し、3種の単原子分子(アルゴン、クリプトン、キセノン)を用いた実験によって検証した。ただしその際、電離電圧の違いによる推進性能の二次的な差異についても捉えることができた。また、作動パラメータは、(充填圧力)*(飛行体実効体積)/(レーザーエネルギー)なる無次元量を用いれば、無次元運動量結合係数(運動量結合係数に作動気体の音速を乗じたもの)特性を一義にあらわすことができることを見出した。この無次元特性量にはレーザープラズマの実効体積に起因する最適値が存在することが、推進性能実験、圧力測定、数値解析から明らかになった。本装置の推進性能向上の可能性を探るため、レーザーアブレーションを利用しインパルス測定を行ったところ、ポリアセタールのアブレーションにより良好な推進性能が得られること、さらにその特性は雰囲気圧力に大きく依存し、100Pa以下の低圧下において大気中よりも大きなインパルスが得られることを見出した。これを有効に利用すれば、本装置の加速管内を真空に保ったまま作動させることも可能であると考えられ、さらに宇宙空間において遠隔から任意のインパルスを発生することができ、宇宙塵対策など、より広い分野へ応用に有望な道が開かれた。
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