研究分担者 |
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70183689)
南 雅代 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (90324392)
三村 耕一 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (80262848)
淺原 良浩 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (10281065)
谷水 雅治 名古屋大学, 固体地球統合フロンテイア研究システム, 技術研究員 (20373459)
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研究概要 |
宇宙はおよそ130億年前に始まり、太陽系は、約45.6億年前に形成されたと考えられている。始源的な隕石中には、原始太陽系集積以前に形成され、太陽系の中で均質化されずに残っている物質が見い出され、その形成場を知るためにさまざまな同位体分析がなされている。太陽系外で形成されたと見なされる物質に、Ceの存在度異常を持つ隕石包有物がある。これは、進化した星から放出される物質は、Ceの揮発性が他の希土類元素より高くなることによる。本研究では、負のセリウム異常を持ち、太陽系形成以前に作られたとみなされる隕石包有物(CAI:と呼ばれる)のLa-CeおよびSm-Nd鉱物アイソクロンからその先太陽系包有物形成の絶対年代を得ることを目標とする。 装置:高分散/深検出器表面電離質量分析計は、隣接同位体干渉を低減するもので、既存の設備に比べ、イオン分散を拡大し、^<138>Ceへの^<140>Ceの干渉を防ぐ設計がなされている。既存設備に比べ、イオン透過率が2倍、暗電流が1/5に低減された。感度が向上したことと、環境学総合研究棟内に微量同位体分析室が設置されたので、バックグラウンドがより少ない、微量同位体分析室に装置を移転した。 試料:セリウム異常を持つCalcium Aluminium rich Inclusions(CAI)の抽出は、切断したAllende隕石表面のCAIからそのごく一部(mg以下)を採取し、中性子放射化分析により希土類元素(La, Ce, Nd, Sm, Eu, Tb, Tm, Yb, Lu, Sc)および白金族元素を定量した。中性子放射化には日本原子力研究所JRR3水力照射設備HR孔で30時間照射ののち、名古屋大学のRI総合センターでγ線の計測を行う。試料の消耗は100マイクログラムと少ないので、セリウムの存在度異常がみいだされた場合、次の同位体比測定に十分な量が残されている。研究計画にあった112試料の測定を終了した。うち、セリウム異常を持つもの8試料が見いだされた。
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