研究課題/領域番号 |
13853006
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (30127980)
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研究分担者 |
内村 智博 九州大学, 工学研究院, 助手 (40346820)
廣川 昭二 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (80156702)
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キーワード | 超短パルス光 / 高繰返しレーザー / 誘導ラマン散乱 / 四波ラマン混合 / ラマン共振器 / 多色レーザー |
研究概要 |
平成15年度は本研究の主要な研究課題である極限の超短パルス光発生と超高繰り返し17THz光発生の実現において、マイルストーンとなる以下に示す実験結果を得た。 (1)極限の超短パルス発生 1.ダブルパスラマンセルを用いて自己位相変調の効果を抑制した広帯域ラマン光の発生に成功した。また、ダブルパスラマンセルと分散補償を組み合わせて、本手法での最高記録となる17fsの単一超短パルスの発生を実現した。 2.冷却パラ水素をラマン媒質として、50fsの単一超短パルス光の発生に成功し、パルスの先鋭度はラマン媒質の温度すなわちラマンゲインに依存する事を明らかにした。これは水素中のラマン分極がパルスの圧縮に関与しているという直接的な根拠を初めて観測した結果である。 3.高圧ラマンセルを用いて紫外フェムト秒レーザーによる高次回転ラマン光の発生に成功した。位相同期を仮定すると、セル中では8fs相当の超短パルスになるスペクトルであった。また、超短パルス伝搬に伴う群遅延分散を評価するコードを作成し、プリズムによって補償するための最適条件を決定した。 (2)超高繰り返し17THz光発生 1.PDH法により共振器のロッキングに成功し、最大10分程度の安定したTEM00出力光を得た。この時の出力は最大140μWであった。 2.光電子増倍管の2光子吸収現象を利用した超高感度オートコリレーターを作製した。近赤外超短パルス光の測定と、紫外対応の光電子増倍管を使用することによる紫外超短パルスの干渉型自己相関波形の測定に成功した。
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