研究課題/領域番号 |
13853009
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 昌 京都大学, 農学研究科, 教授 (70093250)
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研究分担者 |
喜多 恵子 京都大学, 農学研究科, 教授 (70234226)
小川 順 京都大学, 農学研究科, 助手 (70281102)
片岡 道彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90252494)
長谷川 淳三 鐘淵化学工業(株), 精密化学品研究部・精密化学品研究, グループリーダー
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キーワード | キラルビルディングブロツク / カルボニル還元酵素 / 不斉還元 / 旧黄色酵素 / 不斉水素付加反応 |
研究概要 |
本研究では、様々な光学活性アルコール類の生産プロセスに利用可能な「汎用型不斉還元酵素モジュール」の開発を目的に、各種カルボニル還元酵素に関する酵素化学的情報および遺伝子情報をもとに効率的な不斉還元システムの構築を目指して研究を進めている。 1.Rhodococcuse erythropolisのアミノアルコール脱水素酵素の遺伝子クローニングを行い、塩基配列の決定に成功した。本酵素は、短鎖アルコール脱水素酵素/還元酵素ファミリーに属する酵素であることが判明した。本酵素は、逆反応である還元反応も触媒し、アミノケトンの不斉還元により対応する光学活性アミノアルコールを生産できる。例えば、エフェドリン・プソイドエフェドリン等の有用化合物生産プロセスへの応用が期待できる。 2.Candida macedoniensisの生産する旧黄色酵素の遺伝子クローニングを行った。本酵素は、エノン化合物の2重結合に対して不斉水素付加反応を触媒できる。旧黄色酵素と補酵素再生系酵素を共発現させた組換え大腸菌を触媒として、ケトイソフォロン等のエノン化合物の不斉水素付加反応を行い、光学活性なカルボニル化合物を得ることができた。このカルボニル化合物をさらに不斉還元することにより、2つの不斉中心を有する化合物へ効率よく変換できることが判明した。旧黄色酵素は、古くから知られている酵素であるが、本酵素の応用的な研究例はこれが初めてである。 3.Candida macedoniensisからは、ジヒドロフラボノール還元酵素ファミリーに属する酵素遺伝子のクローニングに成功している。本酵素は、イサチンやケトパントラクトンといった共役ポリケトン類やケトパントテン酸エステル類等に広く作用するカルボニル還元酵素であり、様々な光学活性アルコールの生産プロセスへの応用が期待できる。
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