研究課題
基盤研究(S)
本研究では、様々なキラルアルコール類の生産プロセスに利用可能な「汎用型不斉還元酵素モジュール」の開発を目的に、各種カルボニル還元酵素に関する酵素化学的情報および遺伝子情報をもとに効率的な不斉還元システムの構築を目指して研究を進めてきた。本研究を進めていく上で最も重要な点のひとつとして、基質特異性・立体選択性において多種多様なカルボニル還元酵素を取り揃える必要がある。スクリーニングにより、25種類の異なるカルボニル還元酵素を見出すことに成功している。これらに関して遺伝子クローニングを行い、15種類について塩基配列の決定に成功している。また、残りの10種類の酵素に関しても、遺伝子クローニングの途上にあり、おおよそ成功しつつある。塩基配列の決定に成功した15種類の還元酵素について、大腸菌での大量発現系の構築を行い、各酵素遺伝子の大量発現菌株を得ることに成功している。補酵素再生系酵素としては、Bacillus由来のグルコース脱水素酵素以外のものの探索を行った。副生物として容易に取り除ける炭酸ガスが生成する酵素、蟻酸脱水素酵素のスクリーニングを行った結果、Ancylobacter aquaticusより、NAD依存性の蟻酸脱水素酵素を見出した。大腸菌での大量発現に成功しているカルボニル還元酵素15種に関して、補酵素再生系酵素であるグルコース脱水素酵素遺伝子との大腸菌内における共発現システムの構築を行った。それぞれの共発現大腸菌において、酵素活性が最も高く得られる培養条件や菌体処理条件の検討を行った。これらの検討により、不斉還元触媒として利用できる汎用型の生体触媒ライブラリーの構築に成功した。実際に、これらの菌体を触媒として、いくつかの基質への反応性を検討し、反応性や立体選択性の指標となる結果を得ている。
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