研究課題/領域番号 |
13854002
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
村田 紀夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (90011569)
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研究分担者 |
鈴木 石根 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10290909)
西山 佳孝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30281588)
三上 浩司 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40222319)
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キーワード | 低温センサー / 遺伝子発現 / DNAミクロアレイ / 浸透圧センサー / ヒスチジン・キナーゼ / プロテオーム / ラン藻 / レスポンス・レギュレーター |
研究概要 |
本研究は、ラン藻Synechocystis sp. PCC6803を用いて低温センサーと低温適応の分子機構を解明することを目的としている。本年度においては以下のような進展が見られた。 1.低温センサーHik33の低温検知ドメインの同定 ドメイン・スワッピング法による同定に向けて、すでに作製済みのキメラ遺伝子をSynechocystisのゲノムに導入するために必要なプラスミドの作出を行ない、現在その最終段階にある。 2.第2の低温センサーの同定 低温誘導性遺伝子 desBのプロモーターとルシフェラーゼの融合遺伝子の低温誘導を指標にしたスクリーニングにより、第2の低温センサーの候補であるヒスチジン・キナーゼを見い出した。DNAミクロアレーによる解析結果は、これがHik33とは異なる低温誘導性遺伝子群の発現に関わっていることを示唆した。 3.レスポンス・レギュレーターのノックアウト・ライブラリーの作製 Synechocystisの40個のレスポンス・レギュレーターのうち25個について遺伝子のノックアウトが完了している。残りもすぐに完了の予定で、その後低温誘導性遺伝子発現に関わるレスポンス・レギュレーターの同定を行う。 4.浸透圧センサーの同定 ヒスチジン・キナーゼのノックアウト・ライブラリーのスクリーニングにより、Hik33が浸透圧センサーとしても機能していることが明かとなった。DNAミクロアレーによる解析結果は、Hik33が低温と高浸透圧条件下でそれぞれ異なる遺伝子群の発現を支配していることを示しており、Hik33による複雑なシグナル伝達機構が予想された。 5.低温誘導性タンパク質群の網羅的解析 プロテオームによる低温誘導タンパク質群の同定は、現在進行中である。
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