研究課題
基盤研究(S)
生物を取り巻く自然環境の中で、低温は高温、乾燥等とともに生物の生存を決定づける特に重要な環境因子の一つである。申請者の研究グループは全ゲノム配列が明らかにされているラン藻Synechocystis sp. PCC 6803を用い、低音センサーと低温適応の分子機構を解明することを目的として研究を行い、以下の成果を挙げた。1.ラン藻Synechocystisのゲノムに存在する44個のヒスチジンキナーゼ(Hik)と42個のレスポンスレギュレーター(Rre)を失活させ、それぞれのミュータントライブラリーを作成した。このライブラリーをスクリーニングして、Hikの中ではHik33だけが低温センシングに関わっていること、さらに、Hik33の下流に位置するRreとしてRre26とRre31を同定した。2.Hik33は本研究発足当初には低温センサーとして同定されていた。しかしHik33は低温のみならず高浸透圧ストレス、高塩濃度ストレス、光ストレス、酸化ストレスの検知にも関わっていることを明らかにした。この結果から、Hik-Rre二成分系は従来考えられていたような単純なものではないことがわかった。すなわち、環境変化の検知にかかわるHik33はそれ自体は各シグナルに対する特異性を持たない。この事実は、各シグナルに対して特異性を持つ未知因子が存在し、Hik33と強調してそれぞれの環境ストレスを特異的なシグナルとして検知し、それぞれのシグナルに特異的な遺伝子のセットの発現を制御していることを強く示唆している。3.Synechocystisに存在する12種類のセリン・スレオニン・キナーゼのうちの2種がHik33とともに低温シグナルの伝達に関与していることを明らかにした。また、DNAの高次構造(スーパーコイリング)の変化もまた低温検知に関わっていることを明らかにした。
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