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2002 年度 実績報告書

オーファンアッセイ系を用いた新規生理活性ペプチド探索とその機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 13854018
研究機関国立循環器病センター(研究所)

研究代表者

寒川 賢治  国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)

研究分担者 宮里 幹也  国立循環器病センター研究所, 生化学部, 室長 (50291183)
児島 将康  久留米大学, 分子生命科学研究所・遺伝子情報研究部門, 教授 (20202062)
キーワードグレリン / 成長ホルモン分泌促進作用 / 摂食促進作用 / グレリン産生細胞 / ラットの胎児期・新生児期 / 血漿グレリン濃度 / 新生ラットの体重増加 / 性発達に対する作用
研究概要

グレリンは成熟したラットにおいて、強力な成長ホルモン(GH)分泌促進活性に加え、摂食亢進や体重増加、消化管機能調節などエネルギー代謝調節に重要な作用を持つ新規ホルモンである。本研究では、ラットの胎児期・新生児期におけるグレリン産生能と、グレリンの発育・発達および性発達に対する作用について解析した。
胃のグレリン含量は生後1週齢から5週齢まで漸増し、その後定常状態になった。グレリン産生細胞は妊娠18、20、22日目の胎児では粘膜上皮にわずかに認められただけであったが、生後1週間では壁細胞腺体部に、生後5週間では胃底部の腺底部から腺頚部にかけて広く認められた。1週齢ラットの8時間授乳制限は胃グレリン含量を有意に低下させ、血漿グレリン濃度を有意に上昇させた。母体へのグレリンの投与は、新生ラットの誕生時の体重を性差なく有意に増大させた。1週齢と3週齢ラットへのグレリン皮下投与は成長ホルモン分泌を促進し、新生雌ラットへのグレリンの投与は、投与容量依存的に膣開放までの期間を短縮した。
胎児期ラットの胃においてグレリン産生が認められた。母体へのグレリン投与は直接的もしくはGHを介して間接的に胎児の体重を増加させること、新生児期のラットにおいてグレリンの投与によりGHが促進することから、グレリンはGH分泌、末梢グレリン受容体を介した同化作用に関与し、胎児期、新生児期における発育・発達に作用していると考えられる。また、グレリンの継続投与は雌ラットの膣開放を早めることから、性成熟にも関与していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Hosoda, et al.: "Structural divergence of human ghrelin. Identification of multiple ghrelin-derived molecules produced by post-translational processing"J. Biol. Chem.. 278. 64-70 (2003)

  • [文献書誌] Y.Date et al.: "The role of the gastric afferent vagal nerve in ghrelin-induced feeding and growth hormone secretion in rats"Gastroenterology. 123. 1120-1128 (2002)

  • [文献書誌] H.Kaiya et al.: "Chicken ghrelin : purification, cDNA cloning, and biological activity. Endocrinology"Endocrinology. 143. 3454-3463 (2002)

  • [文献書誌] E.Nakagawa at al.: "Hyperglycaemia suppresses the secretion of ghrelin, a novel growth-hormone-releasing peptide : responses to the intravenous and oral administration of glucose"Clin. Sci. (Lond). 103. 325-328 (2002)

  • [文献書誌] H.Okumura et al.: "Vasodilatory effect of ghrelin, an endogenous peptide from the stomach"J. Cardiovasc. Pharmacol.. 39. 779-783 (2002)

  • [文献書誌] T.Hayashida et al.: "Ghrelin in neonatal rats : distribution in stomach and its possible role"J. Endocrinol.. 173. 239-245 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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