研究課題/領域番号 |
13854018
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
寒川 賢治 国立循環器病センター(研究所), 副所長 (00112417)
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研究分担者 |
児島 将康 久留米大学, 分子生命科学研究所遺伝子情報研究部門, 教授 (20202062)
宮里 幹也 国立循環器病センター(研究所), 生化学部, 室長 (50291183)
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キーワード | オーファン受容体リガンド / グレリン / ニューロメジンU(NMU) / ニューロメジンS(NMS) / 心筋梗塞 / 肥満細胞性炎症 / 摂食抑制 / 概日リズム |
研究概要 |
1)グレリンの新たな生理作用と治療応用に向けての検討を進めた結果、グレリン投与が心筋梗塞後の心機能を改善し、心リモデリング進展を抑制し心不全を防止することが初めて明らかとなった。梗塞サイズへの影響がなかったことから、梗塞サイズの減少以外のメカニズムの存在が考えられた。そのひとつとして、グレリンは非梗塞部のコラーゲン密度を著明に低下させ、コラーゲンI及びIII遺伝子の発現を有意に抑制しており、このことが心筋のコンプライアンス低下とそれに伴う収縮・拡張能障害の改善につながったと推察された。 2)オーファン受容体FM-3/GPR66(NMU1R)とFM-4/TGR-1(NMU2R)の内因性リガンドとして我々が同定したニューロメジンU(NMU)は、レプチンとは異なる機序で摂食抑制作用を有し、また、概日リズムの調節に関与していることを明らかにしている。さらにNMUの機能解析を進め、NMUは肥満細胞を介した炎症反応に関与することを明らかにした。具体的には、マウスにおいてNMU投与後の炎症性反応を検討した結果、NMUが肥満細胞を直接活性化しカルシウム動態に影響を与え、脱顆粒を引き起こし、血管拡張、血漿遊出などの肥満細胞性炎症反応を引き起こすことを見出した。 3)我々がオーファン受容体アッセイ系を用いた発見した、新規生理活性ペプチドであるニューロメジンS(NMS)について機能解析を進めた。その結果、NMSが概日リズムの調節に関与していること、特に視交叉上核に内在する概日リズムの非光同調因子の候補であることを強く示唆する結果を得た。また、NMSの脳室内投与はNMUに比べ明らかに強力な摂食抑制効果を示すことが明らかになった。
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