研究課題/領域番号 |
13854019
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
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研究分担者 |
陳 孟鳳 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄付講座教員 (40333603)
古川 博之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄付講座教員 (70292026)
松下 通明 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20250425)
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
嶋村 剛 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (00333617)
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キーワード | 免疫寛容 / MHCクラス2抗原 / 副刺激経路 / anergy / CTLA4Ig / CD40Ig / 肝臓移植 / 小腸移植 |
研究概要 |
臓器移植における拒絶反応は、抗原呈示細胞(APC)のMHCクラス2抗原と発現したアロ抗原をヘルパーT細胞膜表面上のTCRが認識し、キラーT細胞の分化・増殖によって生じる。このシグナルは同時に、APC-ヘルパーT細胞間の種々の副刺激経路により制御されている。アロ抗原からIL-2産生に至るシグナルは、副刺激の存在により進行し、副刺激をブロックすることによりアロ抗原特異的なanergyの状態、即ち免疫寛容の状態となる。本年度の研究では、小動物(ラット)肝移植・小腸移植モデルを用い、既に開発したCTLA4Ig、CD40Igを組み込んだアデノウィルスベクターを用いた遺伝子治療による免疫制御・免疫寛容誘導法を開発した。ACIラットにAdCTLA4Ig5x10^8pfuまたは1x10^9pfuを24時間前投与しLEWラットに肝臓を移植すると両グループとも6頭中4頭が300日以上生存した。skin challenge testを長期生存例に行うとPVGラットの皮膚は18日以内で拒絶されたのに対し4頭中3頭でACIラットの皮膚が生着した。移植後4日目の血清CTLA4Igの濃度は56.0±60.6,80.9±90.6μg/ml(mean±SD)であった。小腸移植(BN ; RT1^n to LEW ; RT1^1)ではAdCTLA4Ig1x10^8pfuは無効であったが1x10^9pfuでは6頭中3頭のレシピエントが100日以上生存した。skin challenge testを行うとthird partyの皮膚が全て12日以内に拒絶されたのに対しBNの皮膚は全て生着した。AdCD40-IgGを1x10^9pfu投与するラット肝移植モデルでは全例免疫寛容を得ることに成功した。平成14年度はこの成果を基にしビーグル犬を用いた腎・肝移植を用いて遺伝子治療の効果を判定する予定である。
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