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2003 年度 実績報告書

非対称細胞分裂:細胞の非対称性から多様性を形成する機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13854027
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

松崎 文雄  独立行政法人理化学研究所, 非対称細胞分裂研究グループ, グループディレクター (10173824)

研究分担者 泉 裕士  独立行政法人理化学研究所, 非対称細胞分裂研究グループ, 研究員
布施 直之  独立行政法人理化学研究所, 非対称細胞分裂研究グループ, 研究員 (80321983)
キーワード神経幹細胞 / 非対称分裂 / 細胞極性 / G蛋白質 / PKC / 上皮細胞
研究概要

ショウジョウバエの神経幹細胞は、娘細胞の運命と大きさの異なる典型的な非対称分裂を行い、転写因子ProsperoやNotchシグナルの制御因子Numbを姉妹細胞の神経前駆細胞に不等分配する。本研究では、神経幹細胞を実験系として非対称分裂のメカニズムとその背後にある細胞極性の分子実体を明らかにすることを目標とし、神経幹細胞の非対称性に異常をきたす突然変異の系統的な検索を行ってきた。分離された変異系統のなかで、神経幹細胞とその姉妹細胞の大きさが非対称性を失う変異系統を2種類について解析を進めている。
一般に、母細胞の細胞質分裂の際、収縮環の位置が中央からずれるため、娘細胞の大きさが非対称になる。ショウジョウバエの神経幹細胞の場合、紡錘体が非対称性な形態をとることによって収縮環の位置にずれが起きる。分離された二つの突然変異は、ともに、紡錘体が非対称性を失っていること、3量体G蛋白質のβ,γサブユニットをそれぞれコードする遺伝子の変異であることが判明した。
一方で、神経幹細胞では、aPKC-Par3複合体とGαi-Pins複合体という二つのシグナル伝達系がapical側に局在し、細胞極性を制御することが知られ、娘細胞のサイズの非対称にっいても、両者が平行して機能することが判明している。Gβγシグナルとapicalシグナルの関係を追及したところ、Gαi-Pinsの非対称局在にはGβγシグナルが心要とされるが、aPKC-Par3の局在には必須でないことが判明した。さらに、GβγとGαi-Pins等の突然変異系統における上皮細胞と脳前駆細胞の解析から、aPKC-Par3シグナル伝達系は主に運命決定因子の局在に、Gαi-Pinsは分裂軸の方位の決定に関わることが明らかになった。従って、これら2つのapicalシグナル系は互いに協調しながら機能を分担していると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Fuse, N.: "Heterotrimeric G proteins regulate daughter cell size asymmetry in Drosophila neuroblast divisions."Current Biology. 13-11. 947-954 (2003)

  • [文献書誌] Shirai, T.: "Differential requirement of EGFR signaling for the expression of Defective proventriculus gene in the Drosophila endoderm an ectoderm."Biochemical and Biophysical Research Communications. 311(2). 473-477 (2003)

  • [文献書誌] Izumi, Y.: "Differential functions of G protein and Baz/aPKC signaling pathways in Drosophila neuroblast asymmetric division."Journal of Cell Biology. 164(5)(In press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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