平成14年度研究実施結果 本年度の主な活動の一つは在日外国人家族への介入プログラムの構築、その介入プログラムに於ける家族間の相互作用の分析と保育園での対象児と保育者および他の児童との相互作用分析であった。在日外国人家族への介入プログラムに関しては、外国人親子の関わりと彼らと他者との関わりに関するデータ収集を行いつつ、彼らの家族間及び他者との相互作用の分析を平行して行っていった。特に相互作用分析による異文化不適応の要因分析に基づいて、効果的な心理的かつ教育的介入プログラムの充実を試みた。最後に、この分析結果に基づいて保育園に於ける異文化理解の介入プログラムと家族への介入プログラムの再編成を繰り返し行った。 1.初年度に収集した保育園の相互作用および介入プログラムのデータを五段階循環分析モデルを参考に行った。 2.大学に於けるソーシャルサポート活動をフルーツサラダの会と命名し、プログラムの宣伝と充実を計った。相互作用分析の上記の結果を基に、親子の関わり・他者との関わりに焦点を置いた異文化を強く意識したプログラムに改良した。 3.在日外国人家族への介入プログラムに関しては、被験者家族の帰国により平成14年9月より対象者家族の再編成(オリジナルターゲットグループの在日外国人家族2家族・新しいターゲットグループの在日外国人家族2家族)とし、彼らに対するソーシャルサポート・プログラムの構築を試みた。 4.外国人家族と日本人家族(レギュラーメンバー4家族)の文化交流をフルーツサラダの会として引き続き毎月2回実施した(10ヶ月×2時間×2回=40時間)。 5.ターゲットグループの在日外国人児童の行動観察と心理的介入を目的として大学・家庭に於ける放課後の活動を開始した(6ヶ月×1時間×週1回×4=40時間)。
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