研究課題/領域番号 |
13871025
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 信 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20164436)
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研究分担者 |
久保山 裕史 独立行政法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域, 主任研究官
山本 伸幸 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (90284025)
柴崎 茂光 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90345190)
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キーワード | 山村 / 地域 / 自殺率 / 自殺予防 / 高齢者 / 生きがいづくり |
研究概要 |
統計資料を用いて、都道府県別に年齢調整自殺率を調製し、昭和25年から平成7年までの5年おきの時系列的推移をグラフに書き出し、そのパターンを読み取り、分類を行った。特に問題となる現在自殺率の高い県については、新潟県のように昔から高いパターンを示すグループと、秋田県のように昭和50年前後頃を境に上昇してきたグループがあることがわかった。上昇してきたグループには北東北と南九州が典型的な例として含まれていた。この結果から、前年度までに調査を行った北東北に加え、南九州に注目する必要性があると判断した。そこで実態調査を鹿児島県において行った。事例山村での聞き取りの結果から夏場の自殺が多く、その背景として東北地方と全く異なる気候の影響が考えられた。4月末から始まる長雨から9月の台風まで、雨に閉ざされうつ気味になるという精神的な不健康がある。また、台風による災害によって被る損害や、休むことのできない復旧作業での疲弊も自殺の原因となりうる。男女別では男性に多く、鹿児島県の男性にはプライドが高いことが期待される文化的背景があり、弱みを見せられないことが、悩みを背負った場合に障害となると考えられる。直接的な原因としては精神病、借金苦、経済苦が挙げられた。精神病に対する偏見が強いこと、雇用の場が少なく経済状況が厳しいことが問題として考えられた。予防活動の例として、伊集院保健所、加世田保健所および大浦町におけるうつ対策活動について調査を行った。精神医療費の削減が、うつ対策事業を行う根拠となっていること、実施には保健婦等のマンパワーや、キーパーソン同士のネットワークが必要であることがわかった。
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