研究概要 |
1.平成12年度に行った「家族の危機と回復」についての大学学部学生対象の自記式調査の結果を再分析し、璃巣期における家族の危機意識の分析を行った。 2.個人において、とくに児童期に育まれるとされるレジリエンスの要因に再び注目し、個人のレジリエンスと家族レジリエンスの関連について、考察した。 3.1.と2.から得た知見を「家族レジリエンスの臨床的応用に向けて」『関西福祉科学大学紀要』Vol6(2003,3月)において発表した。 4.家族レジリエンス尺度作成の予備調査としてWalshが"Strengthen Family Resilience"(1998)において家族レジリエンスの特長として挙げた3分類項目を基にして、9要素44項目の質問項目(Family Resilience Inventory, FRI)を作成し、大学学部学生対象の自記式調査を行った。家族レジリエンス尺度を検討するものとして、FACESKGII-子ども版(立木,1990)およびSCI(ラザラス式ストレスコーピングインベントリー、日本健康心理学研究所)を用いた。結果はFRIの妥当性を表わすものであったが、より広範な年齢層への調査のために今後質問項目が、より日本的に汎化しやすいものとなるよう再検討する必要があることが考察された。家族レジリエンスとFRIの予備調査の結果分析に関しては平成14年度家族心理学学会第20会大会で口頭発表予定である。 5.「家族の危機と回復」について、3名の中年女性への聞き取り調査を行った。3名より「聞き取りの語りの後で気分が楽になった」とのフィードバックを得ており、今後のFRIの項目との整合性を分析し、「語り」の回復力と合わせた今後の聞き取り調査に向けての質問内容、質問形式について、考察した。その結果は「社会福祉学」に投稿予定である。
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