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2001 年度 実績報告書

フランス近代教育システムの基盤形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13871038
研究種目

萌芽的研究

研究機関熊本大学

研究代表者

越水 雄二  熊本大学, 教育学部, 助教授 (40293849)

キーワードフランス / 近代教育 / 教育システム / 公教育制度 / アンシャン・レジーム / フランス革命 / 啓蒙思想 / 国際情報交換
研究概要

本年度の研究実施計画は、次の2点を中心課題とするものであった。
1.18世紀のフランスで教育改革に関与した人物のテクストから、現状認識と改革構想を読み取り考察する。
2.現代の研究によるデータに基づき、18世紀フランスにおける学校教育の実態面での変容を描き出す。
これらの課題に対する具体的な研究成果は、ジャン=フランソワ・シャンパーニュ『公教育の制度化に関する見解』(1800)の分析を中心にして、以下のように要約できる。(注.以下、同書を『見解』と略す。)
シャンパーニュ(1751-1813)は、アンシアン・レジーム末期の教育改革の下で学び、改革の拠点ルイ=ル=グラン・コレージュの教師となってフランス革命を迎え、革命期には同校の校長を務めて公教育計画を構想発表する一方、アリストテレスの『政治学』を翻訳刊行するなどの業績からフランス学士院に迎られた。彼のテクストは、教育史のみならず啓蒙思想や革命期からナポレオン時代の諸問題を考察する上でも極めて興味深い。
『見解』においてシャンパーニュは、フランス章命議会の公教育論議を、その成果に原理面では付け加えるものが何も無いと評価しながら、しかし、「教育を組織する技術」については全く議論も熟慮もされなかった結果、初等教育は無に等しく放置され中等教青も混迷する現状が生じたと批判した。こうした認識に立ち、彼は学校の実態と社会状況、特に財政状態を勘案しつつ公教育を現実に制度化する方策を諭じた。注目に値するのは、彼が旧体制下の学校教育に認められる合理的な要素は否定せずに革命前からの改革潮流を継承しようとしている点、そして、イギリスをはじめ諸外国の教育事情に頻繁に言及し範を求めている点である。いずれも、フランス近代教育システムの形成過程を考察する際、先行研究には無かった分析視角を示唆する内容であると言えよう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 越水 雄二: "フランス近代教育システムの形成過程に関する一考察 -J・F・シャンパーニュ『公教育の制度化に関する見解』(1800)から-"教育史学第45回大会発表要網集録. 37-38 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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