最終年度である今年度は、残りの資料の調査・収集と、総合的な作業を実施した。 1.朝鮮の文学者などの個人全集類を調査し、日本(文化)観に関連する資料を収集した。全集類についてはほぼ作業が完了した。 2.朝鮮の雑誌における関連資料の調査・収集作業を行った(「新民」「時事評論」「実生活」「批判」「彗星」「三千里」「文章」など多数の雑誌に当たった)。 3.前年度に引きつづき、日本国内の雑誌に発表されたものについて調査を行い、資料を収集した。 4.全体的に、直接・間接的に関連する大量の資料を収集することができた。さらに、それらの総合目録の作成を完了し、分析作業を行っているところだが、雑誌の数の多さからみて、まだ補足調査が不可欠と考える。 5.前年度に新たに問題意識を持ちはじめた、植民地朝鮮における日本語の問題に関連しても、多くの資料を収集し、問題意識を深めた。 6.さらに今年度は、日本文化や日本人との関わりから生じる、または、日本文化観を契機として生じる、植民地朝鮮の文化をめぐるさまざまな葛藤について問題意識を深めた。すでに多くの資料を入手しており、今後、新たな植民地研究の展望が開けてきたと信じる。 朝鮮人留学生の日本(文化)観については、若干の補足調査を重ね、もう少し分析作業を行った上で、公にしていきたい。
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