研究概要 |
ベルギー・フランス語圏で現在活躍している作家、批評家たちの何人かと接触を持ち、ベルギー・フランス語圏文化の現状についてリサーチを行うとともに、彼らの作品の一部を翻訳・紹介することができた、本邦初紹介という点で多少の意義を主張できるであろう。 具体的には、まず新進女性作家・写真家・美術家であるアンヌ・ペンデルス氏が来日したのにあわせ講演会を開催、インタビューを行うとともに、その作品Une solitude nomadeの一部を翻訳した。ついで中堅小説家でありかつべルギー・フランス語共同体文化担当官でもあるジャン=リュック・ウテルス氏に書面でインタビューを行い、同氏の最新作La Compagnie des eauxを翻訳した。以上の成果は、日仏バイリンガル雑誌Les Voix, n,94,2001において活字化された。さらに2002年3月末には国際交流基金の招きで来日するベルギー王立アカデミー事務局長ジャック・ド・デケール氏と会見しインタビューを行う予定である。 ベルギー文学・文化関係の書籍の収集に努めたが、絶版書が多く必ずしも思い通りに運んでいるわけではない。今後も継続すべき作業である。 なお現地への調査旅行を2001年秋に計画していたところ、テロ事件の影響で中止せざるを得なくなったのは残念であった。しかし2002年3月に改めて調査旅行が実現。2002年度にもそれを補完すべく現地に出張し、ベルギー文化のアクチュアリティをさらに掘り下げるつもりである。
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