研究概要 |
平成13年4月以降,日本語とドイツ語で書かれたものを中心とする若者言葉研究の専門文献を収集し,その分析を進めた。また,5月から6月にかけてドイツ,ヴッパータールでの「若者語国際会議」に出席し,日本の若者言葉の特徴や日独若者語対照研究の現状を報告するとともに,E.Neu-land教授(ドイツ,ヴッパータール大学), K.Mattheier教授(ドイツ,ハイデルベルク大学)をはじめとする海外の専門家との人的ネットワークを構築した。このネットワークを活用することで,今後の研究を円滑かつ効果的に進めることができるものと期待される。また,当会議における討論参加の過程で,日本における若者言葉研究の課題として,談話分析の重要性や若者語をとりこんだドイツ語教材を開発する必要を確認することができた。13年後半には,院生の協力のもとに,第一段階として日本語の若者言葉の語彙的レベルにおける基礎資料の作成を開始し,次年度の「若者語日独対照表」完成への土台となるデータを集積しつつある。また,14年3月には海外共同研究者のひとりであるP.Schlobinski教授(ドイツ,ハノーファー大学)を日本に招待し,講演会や情報交換を通じて,携帯電話によるショート・メールがドイツ語に及ぼす影響や,現代ドイツ語とインターネットの関わりを含む,「ドイツにおける若者語(研究)」に関する最新情報を得るとともに,今後の対照研究や国際協力のための指針(具体的には,アンケート調査やショート・メールの分析における方法や資料面での協力態勢を整える方向性を相互に承認)を得た。以上の成果の一部は,印刷中論文に記されている。次年度は,研究の第二段階としてのコーパス作成に重点を移すつもりである。
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