平成14年度に行った主な研究実績は次の通りである。 1.資料収集 国立国会図書館、大阪国際児童文学館、梅花女子大学図書館、立命館大学図書館などでの研究調査及び資料収集を行った。そして、中国の上海市、大連市にある児童文学出版社の関係者や、児童文学研究者などを訪ねて、最新情報の収集を行った。 2.研究成果の発表その他 2002年8月中国大連市で開かれた「アジア児童文学学会中国大会」に日本の会員として参加し、各国の児童文学、児童文化の研究者と学術的な見解を交わし、国際的な学術交流によって相互理解を深めることができた。 2002年11月に、梅花女子大学の生涯学習センターで、市民向きの講演を行った。演題は、「中国の幻想文学-古典文学から児童文学まで-」である。 そして、今年度もこの研究を大学教育の現場で生かそうと実践した。梅花女子大学児童文学科で「中国児童文学」という講義を持ち、本務校の「児童文学演習」や「研究入門」の授業で「世界の児童文学-主に東アジアの児童文学-」というテーマで中国、日本、韓国の児童文学の特質および互いの影響関係について講じた。 3.著書、翻訳 中国・天津人民出版社で出版された図書である『変動期の東アジアの社会と文化』における「『西遊記』『封神演義』における日本の翻案について」を執筆担当。 中国の古典小説から生まれた、代表的な中国児童文学作品である『ナーザが東海を騒がす』と『宝蓮燈』を本学の学生たちと共に日本で初めての日本語全訳を完成させ、本学の文芸誌『だはら』によって掲載された。
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