本研究は東南アジア諸国、なかでもマレーシア・シンガポール両国の「統治能力」の比較研究を行うことを目的としている。具体的には独立以降の開発政策の策定、実行、調整、評価能力を「統治能力」と位置づけた上で、政府機構、官僚制度、政策内容の3者から有機的に捉え、比較分析を行うことを目的としている。 初年度に当たる平成13年度は主としてマレーシアの基礎的資料の収集とその整理に大きな時間をあてた。具体的には独立以降の中・長期開発計画書(五カ年計画書など)、連邦閣僚に関する資料、基礎的な経済統計ならびに政治に関する基礎統計(選挙統計)などを収集し、整理作業を行った。これらは最終年度に資料集として刊行する予定である。 また、マレーシアの開発政策の変遷に関しては、分析・検討作業を進め、その成果の一部を論文の形で公表した。 2年目に当たる次年度は、主として政策の担い手である経済官僚に焦点を当て、基礎的な資料の収集と整理作業を行い、本年度に収集した資料との有機的な分析作業を進めることにする。
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