1.SEWAメンバーの資産形成実態調査 2001年10〜12月に実施したSEWAによる各種の支援活動が、女性自営業者の資産形成に、どの程度貢献しているのかを調べる調査について、2002年5月にSEWAの調査スタッフより、英語翻訳された結果を受領し、MS-Excelを利用してデータベースを作成した。そして、2002年9月に、そのデータベースのデータ間の整合性をチェックするプログラムを、MS-Excelのマクロにより作成・実施した。その結果を、数回に渡りSEWAの調査スタッフに送付し、現地で再調査を行った。現在も、再調査中のものがかなりある.再調査についてのすべての回答結果が出揃うまでには、インドにおけるSEWAのスタッフ数が不足しているため、更に数ヶ月を要するであろう。PCを利用した多面的な解析、分析は、データ・チェックを行う前の結果を使用して行っている。今後、再調査の結果を現地より受領次第、データベースの差し替えをして、最終的な分析結果を論文・著書などで著していく予定である。 2.新たな経済発展理論の構築 2001年度までに、性の二重性を考慮した経済成長・発展モデルの比較静学について研究した論文を著した。また、発展段階毎における保険制度の役割に関する論文も刊行した。更に、金融機関を導入したモデルに一般化し、女性の経済行動と金融機関(貯蓄組織)の存在が、経済発展に影響しうることを示した。2002年度は、これらのモデルを一層現実化するため、利子率の役割について考察を始めた。そして、モデルに固定資産を含めて、発展のスピード・アップに寄与するかどうか検討を開始し、一個の論文を発表した。固定資産を含むと、モデルは一段と複雑化し、分析を困難にしているが、今後は複数の型の産業、および固定資産を導入していく予定である。
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