研究概要 |
無限次元微Galois理論について以下の進展があった.すなわち,J. Drachの1914年に書かれたPainleve第6方程式の定義に関する不思議な論文を,我々のGalois理論を用いて透明で明晰にすることができる.一般に我々の理論にしろ,古典Galois理論にせよGalois群は計算するのが難しい.上の過程の副産物として,我々のGalois群が計算できる自明でない例が構成でした. J. Drachの論文は1907年に書かれたR. Fuchsの論文に基づく.この論文でR. FuchsはPainleve第6方程式が2階線型常微分方程式のモノドロミー保存変形を記述することを示したのであった. Lie環論的な立場から,Painleve方程式論を明解に展開することは重要な研究課題の一つである.野海正俊と山田泰彦はこれまでは主にA型の場合を中心に研究してきた.そのためこの方法では,第6Painleve方程式がとらえれなかったが,彼らはさらにこの方法を追求し,Lie環<so>^^^^(8)を考えることによって,第6方程式がこのような枠組みのなかで記述できることを示した.この理論は新しいLax形式を提出する.この事実はR.Fuchsの考察したモノドロミー保存変形が特別の意味を持たないことを意味する.そればかりか,彼らの提案するLax対の方が自然である.したがって,このLax対と微分我々の無限次元微分Galois理論とを結び付けることが急務であろう.
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