研究概要 |
代表者は,今年度中に分担者黒川とともに以下の研究を行った:成果: 1)カシミール効果のリーマン面における定式化.さらに跡公式を用いてのカシミールエネルギーのセルバーグゼータ関数での表示を得た.さらにその系として,計量に関する新しい不変量であるカシミールエネルギーの負値性を証明した. 2)そもそも,量子力学的なゆらぎを説明するカシミール効果のエネルギーの値は,リーマンゼータ関数の負の整数点における値で記述されるものであった.そこでこれにも関連して,リーマンゼータ関数の特殊値の値を多重三角関数で表示する公式を得た.またそのリーマン面での類似も考察した. 11月に沖縄において『セルバーグゼータ関数研究集会』を主催し,カシミール効果,セルバーグゼータ関数や跡公式,ゼータ関数の関連する研究についての国内における最近の成果を発表・討論する機会をもった. また,カシミール効果と素数の分布の関係やゼータ関数研究の,絶対数学を用いた新しい試みを盛り込んだ著作を行ったが,これらの研究はまだ端緒についたばかりであり次年度以降の研究に継続し進展させたい.
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